日伯文化の融合が演出 ジャパンハウス、24日に上棟式

日伯文化の融合が演出 ジャパンハウス、24日に上棟式
工事に参加した職人ら

来伯中の中島工務店職人らが作業

日伯文化の融合が演出 ジャパンハウス、24日に上棟式
桧装飾(写真提供=JH運営委員会)
 5月に開館予定のジャパンハウス(以下、JH)の玄関部分装飾の設置工事のため、岐阜県から中島工務店の職人5人が昨年11月に来伯し、作業を行っている。装飾本体の工事は鉄骨の土台部分を残し完成しており、同工務店一行の作業は来週で一旦終了となる。1年にわたるプロジェクトは紆余曲折があったが、24日の上棟式で一つの区切りを迎える。

 今回、同工務店が装飾工事に携わることになったのは、同工務店が長年にわたって行っている日本館補修作業がきっかけとなっている。2015年末に行われた補修作業の現場を、JHのデザインを担当する隈研吾氏が視察。その伝統の技と東濃桧という素材に魅了され、同工務店に工事が依頼された。

 昨年の1月に隈氏及び隈研吾建築都市設計事務所と同工務店で打ち合わせを行い、桧の手配など準備を開始。約1年間にわたってJHのプロジェクトに携わってきた。JHの玄関装飾に使われるのは加子母(かしも)の桧。日本で一度仮組みを行い、昨年5月15日には仮組みが完成。隈氏が確認を行った後、一度解体して資材をブラジルへ送ることになっていた。

 しかし、書類上の問題や、輸送に使用する予定だった韓国の船会社の倒産などの問題が続き、また、資材が伯国到着後もサントス港でのストの影響で荷下ろしができないという事態に直面。在サンパウロ日本総領事館の助力によってどうにか資材を下ろすことに成功したが、本格的な工事が始まったのは予定より約1カ月遅れた昨年12月13日となった。年末年始も元旦以外は現場に出て、急ピッチで作業を進めてきた。

 工事は17日までに装飾本体部分は終了しており、18日からゲートとフェンスの組み立てに着手した。1カ月間の工事期間を振り返り、現場長を務める中島浩紀さん(53、岐阜)は「日本で仮組みしていた時に使っていた単管や特殊なビスなど、こちらにはないものが多く組み替えには苦労した。接着剤などで対応した分、時間がかかってしまった」と苦労を明かした。

 また「建築物以外のものを作った実績がないので、出来上がりには不安もあった。こんなに大きな装飾を作るのも初めてだった」と戸惑いもあったという。しかし、「何とかでき上がって、一つ新たな実績が作れたかなとは思う」と完成品への自信をのぞかせた。

 同工務店の一員として作業を行った田口健太郎さん(21、岐阜)は「初めてのブラジルで慣れないことも多かったが、当地の作業員と協力してできたし、自分の得意な技術を生かすこともでき良かった」と充実した表情で作業を振り返った。

 装飾の全長は36メートルで、高さは11メートル。37層の垂直材と水平材が交互に組み合わせられている。要所要所に中島工務店の持つ社寺建設の技術が使われており、匠の技が光る。また一部には伯国のイペ木材が使用され、桧装飾の裏には伯国北東部で風通しに使われている「コボゴ」という装飾を配置。日伯文化融合の演出がされている。

 約1年に及んだ装飾工事のプロジェクトも、もうすぐ終わりを迎える。中島さんは「装飾の組み方や資材の輸送方法などで悩むことが多かった」としながらも、「こんな大きなプロジェクトに携わる機会は滅多にないこと。日本館での仕事が評価され、このような機会がいただけたのは光栄だと思う」と喜んだ。

 玄関装飾の上棟式は24日午前10時から、工務店一行はじめ在聖日本国総領事館の中前隆博総領事らが出席してJH(Av. Paulista, 52)で行われる。その後の26日、同工務店一行は帰国する予定になっている。

2016年1月21日付

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