日本から最も遠い移住地㊦ 「蘭の都」を目指した活動も展開

日本から最も遠い移住地㊦ 「蘭の都」を目指した活動も展開
入植50周年記念碑
日本から最も遠い移住地㊦ 「蘭の都」を目指した活動も展開
移住地内で随所に見られる蘭の作付け

 パラグアイ・イタプア県のピラポ移住地(旧アルトパラナ移住地)は、カーレンズ地区、十七村(となむら)地区、富美村地区、市街地地区、アカカ地区、23km地区の6地区に分かれている。同移住地は、全地区に日本語学校を構えていたが、デカセギ多発による少子化問題で1校に統一され、現在は日本人会会館の裏手にあるピラポ日本語学校が133人の生徒を抱えている。同校の工藤悦子校長(70、岩手)は以前、富美村地区の学校で校長を務めた経験があり、当時は同地区に100人前後の生徒がいたと回顧する。工藤校長は「2世から3世の時代になり、日本語能力が難しくなってきている。日本語を通じて日本の習慣、文化を伝えていきたい」と方針を語り、「言葉とともに、何年経っても、何代経っても、後世に受け継いでいってほしい」と同地も次世代継承に試行錯誤している。

 ピラポ日本人会(篠藤真喜男会長)主導の活発な活動が目立つ同地では、「蘭の都」を目指す取り組みが行われており、例年8月末に蘭の展示・即売会が実施されている。以前は農機具展示会だったが、主催者である同会の佐藤満事務局長(61、岩手)は「ピラポがこんなこともできることを知ってもらうために始めたもの」と話し、今年で第21回目を迎えた。さらに、2015年からは「ピラポ蘭フェスティバル」として地元の物産展も同時に行われ、8月2日の入植記念祭の関連行事になっている。

 昨年には、同会とピラポ市が連携し、同地を「蘭の都」としてイタプア県に申請、承諾され、続けてパラグアイ政府からも承認されている。名実ともに「蘭の都」へと邁進する同地で、佐藤事務局長は「色々なところで蘭を見せたい」と同地に自生する樹に蘭を植え付けるなど、取り組みを進めている。

 また、16年のパラグアイ日本人移住80周年で眞子さまが同地を訪れたことを示すものが各所に残されているが、08年に高円宮妃殿下が世界野鳥の会の名誉総裁として、お忍びで同地を訪問されたことはあまり知られていない。何でも、イタプア県周辺地域のみに生息する希少な野鳥の観察に訪れたのだという。突然訪問の知らせを聞いたピラポ日本人会が同市役所付近の自然豊かな土地に、訪問記念碑を建立して記録を残している。

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高円宮妃殿下訪問記念碑

 同地の地盤を成す日本語学校や、様々な活動・行事運営、記念碑など記録の保存・管理など他方から移住地を取りまとめる同会の佐藤事務局長ら関係者は、次世代の人材不足を移住地の課題に挙げる。

 10年に入植50周年を迎えたパラグアイ最大の移住地が抱える課題は、パラグアイ日系社会全体の課題に当たるはず。今後を見据えた人材育成に、同国日系社会を上げて注力していく必要がありそうだ。(戸)(おわり)

2018年9月15日付

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