日本人学校の現状

サンパウロ日本人学校の教室

ブラジル国内で3校が活動
企業進出で生徒数が増加傾向に

 現在、ブラジル国内で日本の文部科学省に認定されている日本人学校はサンパウロ日本人学校、リオデジャネイロ日本人学校、マナウス日本人学校の3校がある。認定校は日本国内の小学校または中学校と同等の教育を行うことを目的とした在外教育施設で、卒業生には日本の小中学校卒業者と同資格が与えられる。本紙は同3校の現状について聞いてみた。(石橋恭平記者)

◆サンパウロ日本人学校
サンパウロ市(聖市)内にあるサンパウロ日本人学校(久保島康正校長)は全学年1学級ずつの全9学級(小学校6学級178人、中学校3学級50人)から構成され生徒数は228人。

同校は1967年に児童28人から始まり、その後うなぎ登りで生徒数は増え続け、81年には創立最多の905人まで達した。同年を境に減少傾向に転じ、2004年には過去最少の138人まで減少。しかし、11年後半には11年ぶりに200人を超え、増加傾向の兆しを見せている。同校関係者は来年度は250人を見込んでいる。さらに今後もしばらく増加傾向が続くと予想されている。関係者によれば、こうした傾向の背景には近年の日本企業の進出増加があるという。

近年、生徒数が増加するにつれ、教諭数が足りないという課題も生じてきている。現在、管理職の校長と教頭やポルトガル語教諭2人、養護教諭1人を含む18人の教諭で構成されている。そのうち文科省から派遣された教諭は13人で、5人は現地採用の教諭。小林利之教頭によれば、1人の教諭が複数の科目を掛け持ちしている状況だという。さらに同氏は今後、文科省から派遣される教諭が増える可能性は低いとし、現地採用の教諭が増える可能性が高いとの見解を示唆した。

同校では、日本国内と同じ基礎教育以外にも総合的学習として移民学習や現地校との交流、職場体験学習なども実施している。

移民学習では小学3、6年時に社会科の授業と関連付けて移民の歴史などを教えている。また、聖市リベルダーデ区の移民史料館見学やグァタパラ移住地への修学旅行なども行事の中に組み込まれている。

◆リオ日本人学校  
リオデジャネイロ日本人学校(藤内博校長)は小学部と中学部の2部構成で、それぞれ6学級の児童11人、1学級の生徒2人の計13人。

同校は60年、石川島播磨重工がイシブラス造船所に派遣された社員の子弟の企業内教育施設(日本語補習校)を開設したのが始まりで、生徒53人で授業が行われた。80年代には創立最多の約400人の生徒数となった。しかし、94年に同造船所が閉鎖されたのを機に減少していった。

しかし真島吉昭事務長によれば来年度、日系企業のリオ進出の話を幾つか聞いているらしく、「生徒が増える可能性が高い」と話していた。

また、現在教諭の数が足りていない同校では、藤内校長が自ら週10時間以上の授業を持っている現状だ。同校は来年度に向けて、派遣される教諭の増加を文科省に求めたが、現在と同人数での決定が下された。

なお、同校では総合的学習の中で1世の日本人移住者と交流する機会などを設け、移民学習にも積極的に取り組んでいる。

◆マナウス日本人学校
マナウス日本人学校(紙屋裕安校長)は、全日コース小中学部と文化コース小中学部の3コースで構成されている。

全日コース小学部は複式学級を含む4学級児童数12人で、同コース中学部は1学級の生徒1人の計13人。文化コースは国籍に関係なく日本語を勉強したい生徒を対象に設けられたコースで午前中のみ開校しており、日系人の生徒13人が通っている。

紙屋校長によると近年、全日コースの生徒数は減少傾向にあり、特に今年度は企業駐在員の入れ替わり時期で日本へ転校する生徒が多かったという。また、同校長はこの傾向が続けば、文科省から派遣される教諭が減ることを危惧(きぐ)していた。しかし、来年度は順次、生徒数が増える見通しで全日コースの児徒を16人と見込んでいる。 
文化コースは近年、増加傾向にあるという。なお、移民に関する授業として同校では、総合的学習の中で毎年2回程度日本人移住者の講演会を開き、全校生徒で静聴している。

2013年3月8日付

コメント0

コメントを書く

Login

Welcome! Login in to your account

Remember me Lost your password?

Lost Password