日本式「機動力野球」を指導 日体大野球部がブラジル各地で

日本式「機動力野球」を指導 日体大野球部がブラジル各地で
試合後に日伯野球関係者で記念撮影

コチアとの練習試合で締めくくり

日本式「機動力野球」を指導 日体大野球部がブラジル各地で
1回表、日体大がホームランで3点を先取

 【一部既報】JICA短期派遣事業として2月23日から今月21日までの約1カ月間の日程で滞伯していた日本体育大学野球部のメンバーは19日、ブラジル野球指導の締めくくりとしてコーペルコチアクラブ野球部(新田博和部長)との練習試合を同クラブ内の球場で行った。試合は日体大が15―1と大量得点で勝利し、日本の「機動力野球」の貫禄を見せつけた。日体大コーチの高丸博文氏(29、東京)は、今回のブラジル各地での指導の総括として、「こちらが押し付けるのではなく、各地での要求に合わせて指導を行った。野球への取り組みを楽しむ中でも、技術が向上できたのでは」と振り返った。

 日体大野球部一行はマット・グロッソ、南マット・グロッソ、パラナ、サンパウロ(聖)各州で青少年たちを中心に指導を行い、野球の普及と指導を通じた地域スポーツの振興を目指すことを目的に活動した。

 曇天で時折小雨がぱらつく肌寒い天候となった19日は、午前中に6~14歳の幼少年たち50人が参加し、前日の18日は13~20歳までの青少年40人が柔軟体操やキャッチボールなど基本的な運動のほか、ピッチング、守備、ベースランニングなど細かい技術を学んだ。

 コーペルコチアクラブ野球部の新田部長(67、島根)は2日間の指導を受け、「ブラジルの野球の練習はキャッチボール、守備と攻撃の3種類だけで、30年前から練習方法が変わっていない。日体大の皆さんからは、柔軟体操から始まり、野球に必要な筋肉をどう動かし、どう強くするのかといった理論的で我々が全然知らなかったことを教えてくれた」と感心していた。また、同メンバーを派遣したJICAへの感謝の気持ちも表した。

 19日午後1時半から開始された練習試合では先攻の日体大が1回表、フォアボールとヒットでランナー1、2塁の好機に4番打者がホームランを放って初回から3点を先取。コチアは2回裏、1アウト2、3塁のチャンスで内野ゴロがエラーとなり1点を返したが、3塁ランナーが三本間で挟殺され絶好の追加点のチャンスをつぶした。

 4回表、日体大は1アウト、ランナー2、3塁でピッチャー強襲ヒットで1点。さらにレフト線へのヒットで2点の計3点を追加した。

 5回、6回と両チームともに無得点が続いたが、7回表、日体大は相手のミスや交代が激しく制球難のピッチャーたちを攻め、打者が一巡半する15人で大量の9点を追加した。

 7回裏、コチアは2アウトで7番打者が内野安打で出塁したが、最後の打者が三振となり、コチア側の意向も受けて7回でゲームセット。15―1で日体大が快勝した。

 試合後は閉会式が行われ、新田野球部長、パウリスタ野球連盟の沢里オリビオ会長から労いと感謝の言葉があり、その後、コーペルコチアの少年たちから日体大選手にそれぞれ記念品が贈呈された。

 日体大の高丸コーチは今回の指導の総括として「押し付けの指導ではなく、各地のニーズ(要求)に合ったやり方を行った」と強調。ブラジル野球について「打つ、投げるといった能力はメジャーで通用する選手もいるが、守備や走塁については我々日体大が教えた技術を生かせることも多いと思う」とし、「ブラジルの野球は移民の方々が日本から持ち込んで始まったもので、その意味では日本とブラジルの野球は共通するところも多い。単なるスポーツとしてだけでなく、日本文化や教育的なものを野球を通して取り入れ、楽しみの中で技術的な向上もできたのでは」と指導の成果を実感していた。

 また、今後のブラジル野球へのエールとして高丸コーチは、今回は出場できなかったWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)への本戦出場や2020年の東京五輪への出場も期待していた。

2017年3月25日付

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