日系社会に特化して活動 ジャーナリストの山内さん

日系社会に特化して活動 ジャーナリストの山内さん
県連事務所で仕事をする山内さん

中南米日系人招へいプログラムに参加

日系社会に特化して活動 ジャーナリストの山内さん
NHKのスタジオで他の参加者らと(右端が山内さん。写真提供=山内さん)

 日本の外務省主催で1月16日から20日まで三重県伊勢志摩で行われた「中南米日系人招へいプログラム」に、日系社会の各団体で広く活躍するジャーナリストの山内エリカさん(40、3世)が参加した。同プログラムには、中南米諸国の日系人ジャーナリストやメディア関係者10人が参加。その中で日系社会に特化して仕事をするのは山内さんのみで、日系社会をよく知る人物として日本側からも一目置かれる存在となった。「一般ブラジルメディアで働くこともできたが、日系社会で働くことを私は選んだ」と語る山内さんに話を聞いた。

 同プログラムの目的は、ブラジルをはじめとした中南米諸国の日系人への新たな交流方法の構築、そして日本文化のさらなる促進。そのため、情報伝達のプロである各国の日系人メディア関係者らが招へいされた。伯国からは4人が参加。サンパウロ市の募集には約200人が応募し、中には著名な日系人ジャーナリストの姿もあったという。山内さんは選考に通るか不安に感じたが、見事合格。山内さんと青木カシオさんの両氏がサンパウロ市代表に選ばれた。

 日本滞在中はポルトガル語、スペイン語を学ぶ大学生との意見交換、外務省職員からの外交に関する講義、秋篠宮殿下ご夫妻との謁見、NHKの番組ディレクターと日本のメディアのあり方についての話し合いなど、短期間で多くの日程をこなした。野上浩太郎官房副長官との面談では青木さんが祖父母についての発表を行い、「私たちが今回経験したことをもし祖父母らが知ったら、どんなに喜んでくれるだろうか」と述べ、参加者らは全員感極まる場面もあったという。

 今回が山内さんにとって25年ぶりの訪日。「言葉にできない気持ちだった」と感想を述べ、「日系ジャーナリスト代表して訪日したことを誇りに感じた。日本への愛情、自らのルーツを参加者一人一人が再認識できた貴重な経験になったと思う」とプログラムを振り返った。

 山内さんは大学でジャーナリズムを専攻した後、大学新聞と「ジアリオ・デ・サンパウロ」紙に勤務。その後、2004年に自ら会社を立ち上げ、各日系団体、機関を対象に広報全般に関する仕事を行っている。現在はブラジル日本都道府県人会連合会を主に、サンパウロ日伯援護協会の広報誌、日伯文化連盟文化センターの広報などを担当。これまでにはJICAや国際交流基金、移民100周年時の仕事などに携わった。

 他の日系人ジャーナリストのほとんどが一般の伯国メディアで仕事をしている中で、なぜ山内さんは日系社会を自らのフィールドに選んだのだろうか。同様の道を進む選択肢は山内さんにもあった。しかし、ブラジル日本文化福祉協会の青年部ボランティアの活動など、山内さんの人生は常に日系社会とのつながりがあった。「日本企業で働くこともできたけれど、日本文化を伝える仕事をすることが私にとって大切なことだった。だから私は日系社会のために働く道を選んだ」とその理由を語った。

 また「日本文化からブラジル人が何かを学ぶこともできる。ブラジル人が日本について知ることはとても重要」だということも日系社会で働く理由だと語り、自分の仕事で日本文化にまったく興味がなかったブラジル人らが、日本文化を好きになる瞬間を見るのが嬉しいという。

 現在、同プログラムに参加した青木さんと共に日本文化を伝える企画を準備しており、各国のジャーナリストと協力し、ウルグアイやチリなど日系社会が小さな国での普及活動も予定している。将来的には、ジャーナリストという強みや利点を生かした日系社会にとどまらない社会貢献をしたいと考えている。

 山内さんは「日系人ってなんだろう?」と自らに問う。そして出た答えは「日本文化を愛するすべての人々」。「ブラジルには日本文化を愛する人がたくさんいる。プログラムに参加して文化が持つ力はすごいと感じた。道を誤りそうな子供がいたら、日本文化に触れることで正しい道を歩めるかもしれない。そのために日本文化を広めて、楽しんでもらうのが私の仕事」と語り、自らの定義する日系人を増やすためにも、これからも精力的に活動していく考えだ。

2017年3月17日付

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