日系社会の遺産調査② サントスから祖国見つめる「上陸記念碑」

日系社会の遺産調査② サントスから祖国見つめる「上陸記念碑」
移民たちの思いを刻んだ石碑(2018年1月14日撮影)
日系社会の遺産調査② サントスから祖国見つめる「上陸記念碑」
日本移民上陸記念碑(2018年1月14日撮影)

 ブラジル日本移民の原点となる場所。サンパウロ州サントス市の海岸沿いに1998年、「日本移民ブラジル上陸記念碑」が建立され、最初の日本人移民が入植した08年から73年まで、約24万人がサントスに上陸し、ブラジルの大地に踏み込んだ。隣接する石碑には、移民たちの思いが「この大地に夢を」と刻まれている。

 98年、サントス日本人会の故・上新(かみ・あらた)会長(当時)ら地元の日系人たちから県連への呼びかけで、移民90周年記念事業として建立計画が県連(網野弥太郎会長(当時))に持ち込まれた。県連は97年11月に日本移民上陸記念碑建立委員会を設立し、デザイン公募を行い、翌98年2月に本永群起氏(故人)の日本移民像が採用された。

 建立に向けて、日系社会では「誰でも出せる金額」としてコロニア1ドル募金運動が展開され、同年6月21日の除幕式へと結び付いた。除幕式には、小渕恵三外相(当時)が参列していた。

 記念碑は当初、笠戸丸が寄港したサントス第14埠頭が建立候補地として挙がっていたが、上陸当初の面影を残していなかったため、ポルトガル人の上陸記念碑が建っているポンタ・ダ・プライア海岸が選ばれた。建立後には日本で、数多くの移民を送り出した兵庫県神戸市の埠頭にも移民乗船記念碑が建立されている。

 2008年頃に、記念碑が海岸沿いの遊歩道にあることから、危険性を問う声などが県連に寄せられたことで、翌09年に現在のロベルト・マリオ・サンチーニ公園に移設されている。(つづく)

2018年7月4日付

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