日系4世ビザ問題 11月実施がズレ込む可能性

日系4世ビザ問題 11月実施がズレ込む可能性
質問に答える小林審議官

 7、8両日に行われたCIATE主催のコラボラドーレス会議中、小林洋司厚生労働省審議官に対して、会場からは日系4世ビザに関する質問が出された。小林審議官は、「今日本は国会が(衆議院の)解散をして、22日の選挙まで政治的には空白期間ということもある」「関係省庁とどういうスキーム(計画)にするか検討している段階」と答弁し、11月から実施と見込まれていた法務省省令がズレ込む可能性も示唆した。

 これまでの流れを整理すると、昨年6月、日系6団体の連名で日系4世の在留資格に関する要望書を、当時の梅田邦夫駐伯大使に提出。昨年9月のコラボラドーレス会議において3世、4世の意識調査が報告され、10月の海外日系人大会では4世の在留資格についての配慮を求める大会宣言が採択された。

 大きく動いたのが今年7月21日に下地幹郎議員(日本維新の会)がサンパウロ市内で説明会を行ったことで、3年間のワーキングホリデー(WH=日本文化等を理解するため休暇を過ごす活動に併せ、必要な資金を補うための就労活動)制度の構想を語った。その際、年齢制限も「18歳以上」のみで、日本語能力や、配偶者帯同などの制限も想定されず、WH終了後の定住資格も示唆されていた。しかし、7月31日付の読売新聞の報道では対象年齢が18から30歳まで、来日時に日本語能力試験4級(N4)程度、家族の帯同は認めないという条件が報じられていた。

 会場の答弁で小林審議官は、「日系4世は日本と日系社会との懸け橋になり、さらに良き日本の理解者になってもらう。母国に戻った後に、さらに活躍していただく。そうすると……年齢要件(の上限)を設定するべきではないかという議論になってくる」と年齢上限設定の可能性を示した。

 また、会場の「工場で働くだけではなく、大学へ進学するなどの環境をつくる日本政府の施策はあるのか」との質問には、「具体的な就労面以外に関して答える情報は持ち合わせていないが…子弟の教育に力を入れることも重要」と語った。

 その後、記者団の取材に応じ、「懸け橋」という表現について、「(今回の制度は)ブラジルに戻って活躍する。そう考えた方が素直」と語り、4世の定住資格についても、あくまで数年単位の在留資格のみを小林審議官は念頭に置いていることをうかがわせた。制度実施の人数制限については「一定の制限は当然ついてくる」と考えを述べていた。

 具体的な4世在留資格制限等は今後も関係省庁で議論が重ねられるものの、下地議員の説明と省庁関係者の考え方に一定の温度差があることが確認された。なお、法務省のパブリック・コメントは10月9日現在、未だ募集されておらず、省令開始も遅れそうな見込みだ。

2017年10月11日付

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