時短と減給定めた暫定令 雇用保護プログラム

時短と減給定めた暫定令 雇用保護プログラム
適用が確実視される自動車業界(Foto: Marcelo Camargo/Agêcia Brasil)

是非を巡り労働組合でも二分

 「雇用保護プログラム(PPE)」と呼ばれる暫定令680号が7日付で施行に移った。同暫定令は一時的な財政難に直面している企業が社員の勤務時間を短縮することを合法とするもので、今年に入ってから大規模なレイオフが続く自動車業界の労働組合でさえも給与減に懸念を示す反対派と雇用の確保に重きを置く賛成派に二分しているという。同日付伯メディア(ウェブ版)が報じた。

 ブラジル政府は新暫定令の対象となる業種を現在のところ未定としているが、厳しい財政難により大幅なリストラを余儀なくされている自動車業界が対象となることはほぼ確実視されている。

 しかし対象となった業種の企業でも、同プログラムの適用を受け入れるかどうかは経営陣が公式書類によって労組側に財政難を証明した後で双方の合意を得た上で決定するため、プログラム対象とされた場合でも実際の適用は義務とはならない。ミナス・ジェライス州の鉄鋼業労組のように「ただでさえサンパウロ州やリオ州と比べて鉄鋼業従事者の賃金レベルが低いミナス・ジェライス州で減給に踏み切ることなどは認められない」と強硬姿勢を選択した労働組合も存在することから、同プログラムがどこまで普及するかについては疑問も残る。

 暫定令は労働時間、給与ともに30%の削減を行うことでレイオフや解雇を避けることが主な目的だが、これにより企業側は解雇にかかるコストや景気回復後の雇用コストを節約でき、政府にとっては失業保険の出資削減や大規模レイオフや解雇によってもたらされる社会不安の減少にもつながる。ブラジル政府は年末までに同プログラムの施行に1億レアルの歳出を見込んでいるが、これにより5万人の被雇用者の雇用が確保されるとしている。

 しかし給与が減ることについての不安の声は強く、これに応じる形でブラジル政府は減給分を一部補う方針を暫定令に盛り込んだ。労働者支援基金(FAT)から減給額の50%を月々の手取り分に上乗せすることになる見込みだが、上乗せ分の金額は最高900.84レアルと上限が設けられた。一方、失業保険の資金源としての機能も持つ同基金は既に赤字となっているため、この政策の長期的な安定性を疑問視する見方も出ている。

 暫定令が適用された企業には、適用終了時までの期間のうち3分の1は雇用の継続が義務付けられるが、解雇に際してこれまでと比べて特に厳しい基準が課せられたわけではない。そのため、「正当な理由なしに解雇してはならない」と定めるにとどまっており、具体性を欠く内容となっている。

2015年7月9日付

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