最高裁、大統領への捜査開始を許可 クーニャ元下院議長の証言阻止

最高裁、大統領への捜査開始を許可
大統領府で会見するテメル大統領(Foto Valter Campanato/Agência Brasil)

ラバ・ジャット作戦 JBSからの資金提供を容認か

 大手食肉企業JBSオーナーのジョエズレイ・バチスタ氏が連邦検察庁との司法取引で行ったとされる証言の内容が17日夜に報じられ、政界に混乱をもたらした。報道によれば同証言では、国営石油ペトロブラスをめぐる汚職で勾留されているエドゥアルド・クーニャ元下院議長と資金オペレーターが証言を行わないようにする目的で同オーナー側から資金提供を行っていると語ったことに関し、テメル大統領が同オーナーとの面会時にその資金提供を容認するととれる内容の発言をしたとされている。このほか、社会民主党(PSDB)党首のアエシオ・ネベス上議が同オーナーに200万レアルの資金を要請したとの内容の証言も行われたと報じられている。テメル大統領、ネベス上議はいずれも疑惑を否定している。これらの会話の録音を含むバチスタ氏兄弟の司法取引証言は、ペトロブラス汚職を捜査する「ラバ・ジャット作戦」の案件で連邦最高裁判所の報告官を務めるファキン判事により承認された。同判事発行の令状により、連邦警察および連邦検察庁が18日早朝からネベス上議の関係先を家宅捜索したほか、同上議の親族、関係者などが拘束された。ファキン判事はまた、連邦検察庁の要請を受けてネベス上議の議員職務の一時停止を命じたほか、同日午後には同証言の内容に関するテメル大統領の捜査開始を許可したと報じられている。この決定により、大統領はラバ・ジャット作戦の正式な捜査対象となる。

 報道によれば、この証言は、ジョエズレイ・バチスタ氏により今年4月10日から行われてきたもの。オ・グロボ紙のコラムニスト、ラウロ・ジャルジン氏が17日夜の同紙電子版で伝え、その後各メディアが報じた。ジョエズレイ氏とウェズレイ・バチスタ氏の兄弟による司法取引証言は、ファキン判事に通知され、18日、同判事により承認されたことが公表された。その内容については秘密指定となっている。大統領に対する捜査開始許可については、18日午後の時点で公式に発表されていない。

 報道によれば、証言されたジョエズレイ氏とテメル大統領の会話は、今年3月7日にブラジリアの副大統領公邸で秘密裏に録音されたとされる。会話の中でジョエズレイ氏が、勾留中のクーニャ元下院議長と資金オペレーターのルシオ・フナロ氏に対し、証言を行わないようにする目的で逮捕以来月々の資金提供を行っていることに言及した際、大統領が「それを維持しなければならない」と語ったとされる。連邦警察は、フナロ氏の親族、クーニャ氏の関係者に資金が渡ったことを記録しており、証言によれば、クーニャ氏には少なくとも500万レアルが支払われたという。

 さらにオ・グロボ紙の報道によれば、JBSの持ち株会社の「ある件」の解決に関して、大統領が元大統領特別補佐官のロドリゴ・ロシャ・ロウレス下議の名前を挙げたとされる。

 ジョエズレイ氏によれば、同持ち株会社は、グループ傘下の発電会社にペトロブラスから供給されるガスの価格に関連した案件があり、ロウレス下議が同社と経済防衛行政審議会(Cade)の仲裁を行い、JBS側から賄賂が支払われたという。

 報道によれば、JBS側から同下議へ行われた50万レアルの支払いの場面が連邦警察により録画されているという。

 大統領府は17日夜、大統領は「エドゥアルド・クーニャ元下議の沈黙を得るための支払いを要請したことは決してない」「(クーニャ)元議員による司法への証言または協力を回避する目的を持ついかなる動きにも、加わったことも、許可したこともない」とする声明を発表した。声明では、大統領が3月初めにジョエズレイ氏と公邸で会ったことは認めたが、報道の内容については否定している。

 大統領は18日午後4時過ぎから大統領府で会見し、証言で言及された内容について強く否定。自身の潔白を主張し、辞任の意思はないことを表明した。 

 17日のオ・グロボ紙の報道後、下院では、レデ党、ブラジル社会党の下院議員が事務局に背任などを理由とした大統領弾劾請求を提出している。

ネベス上議の職務停止 3州で関係先を捜索=JBS証言

 ネベス上議とジョエズレイ氏の会話は、今年3月にサンパウロ市内のホテルで録音されたものとされる。その中で同上議は200万レアルの資金をジョエズレイ氏に要請し、資金の受け取り役としていとこの名前を挙げたという。

 ネベス上議は広報を通じ、疑惑を否定している。

 報道によれば、資金の受け渡しはJBS幹部からネベス上議のいとこへ4度に分けて行われ、うち1度の受け渡しが連邦警察により録画されているという。資金はいとこから、同上議と同じミナス州選出のゼゼ・ペレラ上議の家族の会社に渡った可能性が報じられている。同上議はソーシャルネットワークを通じて資金受け取りを否定している。

 ネベス上議に関連した18日の捜査は、ファキン判事発行の令状により行われた。同上議のブラジリアの議員事務所や地元ミナス州のベロ・オリゾンテ、リオ・デ・ジャネイロなどで関係先の捜索が行われたほか、同上議のいとこと姉のほか、ペレラ上議の補佐官、フナロ氏の親族などが拘束された。

 またサンパウロでは、大統領の知人の住所で捜索が行われた。

 捜索はペレラ上議、ロウレス下議の議員事務所でも行われた。

 ネベス上議の職務一時停止は、ペトロブラス汚職に関連した案件で最高裁の報告官を務めるファキン判事により決定された。連邦検察庁は同上議の逮捕を要請したが、ファキン判事は要請を却下している。

 ファキン判事はまた、大統領関連の証言で名前の挙がったロウレス下議の職務一時停止も命じている。

2017年5月19日付

最高裁、大統領への捜査開始を許可
議員事務所の家宅捜索を終えた連邦警察捜査官(Foto: Marcelo Camargo / Agência Brasil)
ネベス上議の職務停止 3州で関係先を捜索=JBS証言
上院で演説するネベス上議(4月)(Foto Lula Marques/AGPT)

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