東京便り 困難が伴う天皇退位

 天皇陛下が退位をお考えになっていることが明らかになり、日本中が驚いた。天皇陛下は、退位の意思を表明された国民向けのお言葉で、「高齢で体力の衰えを覚えるようになり、(このままでは)象徴の努めを果たすのが難しくなるのではないか」と、高齢で体力が衰え、従来のような活動が出来なくなると訴えられたのだ。世論調査によると、天皇の退位には国民の80%以上が賛成と答えている▼天皇陛下は80歳を超えられた。世間では65歳くらいが定年で、80歳を超えて仕事をしているというのは希である。国民が、天皇陛下を公務から開放してあげたいと考えるのは当然だろう。ましてや陛下は至極真面目な性格で、回ってきた書類には全て目を通し、分からないところは侍従に調べさせ、納得がいったところで御璽を押される。公務の合間を縫って被災地を訪れ、被災者を励まされたりもする。ストレスで胃から出血されたこともあるという。国民が「退位賛成」というのも当然である▼ところが、先ごろ行われた海外新聞放送協会会議の席上、「退位問題」を説明してくれた皇室担当記者によると、退位はそう簡単ではないという。様々な問題があるというのだ。第一に、天皇の継承などを定めた皇室典範に規定がない。皇室典範を改正するにしても、退位を何歳にするのか、退位後の呼び方をどうするのか、退位を巡り皇室内で権力争いが起きないか、退位年齢になれば強制的に退位させるのか、などいくらでも問題は浮上してくる▼同記者はそうした問題を考えると、相当に練り上げた制度設計が必要で、皇室典範改正は一筋縄では行かないと指摘する。皇室典範改正となれば、女系天皇を認めるかどうか、といった議論も浮上してくる。国民が退位に理解を示しても、そう簡単に天皇退位とはならないのが現状である。(東京支社=瀬頭明男)

2016年10月28日付

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