東京便り 見捨てられる菅政権

 菅直人民主党政権が揺れている。言うまでもなく、同党の比例単独当選衆議院議員16人が「今の菅政権の政策は、民主党が国民に約束した政策とは正反対のことをしており、本来の民主党とは違う」と、民主党会派からの離脱を表明したからである▼これが離党を意味するのではなく、菅内閣打倒を目指したものであることは明白だ。民主党内部には、この16人に同調する議員も今後現れる、と指摘する向きもある。この動きが民主党の分裂、新党立ち上げにまで進むのかどうかは、今の比例区選出議員の動きだけであれば、その可能性は低いと見る▼理由は、16人は民主党のあり方に異を唱えているわけではなく、あくまでも公約を守らない現執行部に反旗を翻しているに過ぎないからだ▼日本のメディアはこぞってこの16人の行動に異議を唱えている。別会派を作るのなら、離党しなければ筋が通らないというのだが、彼らは総選挙で増税はしない、公務員改革を行う、といった公約を訴えて当選した人たちである。これを無視し、むしろ自民党政権と同じ政策に回帰した現政権では、次の選挙では当選できないと見て決起したと見るのが普通である。したがって、本来の民主党に戻ってほしいと言うのだから、党を離れるという理屈にはならないのだ▼民主党議員が危機感を抱くのは当然で、菅執行部は先の参議院選挙以来、続く地方選挙でも連戦連敗で、民意が離れていることは歴然としている。長年自民党で重要閣僚をしてきた与謝野馨議員を閣内に取り入れ、愛知でのトリプル選挙で大負けしたことが、この倒閣運動に火を付けた。菅政権は予算通過のめどが立たなく、総辞職するか、解散・総選挙に打って出るかの瀬戸際まで追い詰められている。菅執行部寄りの民主党幹部までが、菅首相の辞職を餌に予算に賛成してくれるよう公明党と交渉した話までが外部に漏れ、内閣総辞職の可能性が強まっている▼政界では早くも、次の首相は誰がなるかに興味が移りつつある。最も有力視されているのが前原外相である。しかし党内部には、前原氏では菅内閣と政策は何も変わらないと異論も強い。大穴としては亀井静香国民新党代表の名が挙がっている。領土問題を含めた外交、難問山積の内政を乗り切るには、亀井代表ぐらいの政治力を持った人でなければ乗り切れないというのだ。3月に入ったら、ある程度の見通しが出てくるはずである。(東京支社=瀬頭明男)
2010年2月22日付

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