殺人10件に1件が家庭内 さらに多い可能性と専門家=サンパウロ州

 サンパウロ州公共保安局によると、昨年1月から11月までの間に州内で起きた殺人事件の10件に1件が、家族や夫婦の不和に起因していており、1日1件発生している割合になっているという。エスタード紙が報じた。

 州全体で発生した3414件の殺人事件のうち、5.9%は夫婦間の、そして3.7%は家族の不和の後に起こっている。同局は、こうした犯罪は予測や防止が困難であり、この割合はさらに高くなる可能性があるとしている。

 同局がまとめた「殺人の横顔」は、事件調書の分析によって動機を示しており、家族や夫婦間の争いのほか、処刑の可能性、憎悪、リンチなど10に分類される。このデータでは、家庭内における故意の殺人事件の割合が、他の殺人事件、例えば麻薬の使用や密売(0.8%)、交通事故(1.7%)、受刑者の死(0.3%)よりも高くなっている事を明らかにしている。

 サンパウロ総合大学医学部の精神医学者ジョゼ・ガルッシ・ネット氏によると、親族の殺害に至る様々な要因があるといい、「通常の人間は、極度の感情的なストレスが要因となって殺人事件を起こし得る。計画的でない場合、殺人者は、家族の一員とは考えず、短絡的に衝動的な行動に出る」と説明する。

 今回の調査によると、これらの殺人事件の発生率は州内陸部で比較的高くなっているという。内陸部での割合は、夫婦間の喧嘩が動機となったものは6.8%、家族内の争いは4.8%となっている。この割合は、サンパウロ市内ではそれぞれ5.5%、3%となっており、首都圏では4.4%、そして2.4%となっている。

 しかしながら専門家は、家庭に関連する殺人事件はさらに多いと警告する。公安局の元アナリストで社会学者のトゥリオ・カーン氏は、「一般的に事件調書は、その動機を判断する上において非常に乏しい」として、被害者と加害者、捜査や事件の経緯を調査して情報をクロスさせる必要があると述べている。公安局のデータでは、殺人の30.8%は事前の分類がない。

 公安局は発表文の中で、家庭内における殺人事件の場合は、「その環境特性や予見不能な犯罪行為の結果であるため、予防活動は制限される」「未然に防ぐためには、被害者が脅迫を受けている事を届ける事が重要」としている。さらに同局によれば、「殺人の横顔」はブラジルが先駆けて行っている調査で、同調査の効果により殺人事件は1999年以来74.6%減少しているという。

2016年1月19日付

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