温暖化の惨禍にやって来る怖い話㊤ 「人食いバクテリア」   成田修吾

 「対岸の火事」と思われていた気候変動禍の裏には、怖い話がある。

 現在、世界各地で超気温上昇、超乾燥と大旱魃、超寒波、超暴風雨、超洪水、海面上昇などなど、数知れない自然現象の変化であらゆる地球上の生物に脅威をもたらしている。私たちは、知識的には賛否両論で環境の変化を察知しているにしても、自然災害に見舞われてその惨禍にくる怖い話が、身近に迫ってきている。

 昨年8月に米国テキサス州をハリケーン「ハービー」が襲い、ヒューストンの街は大洪水で甚大な被害を受けた。その濁った水の中に、誰知るともなく危険な生きものが潜んでいた。目には見えないその生物は、浸水した自宅で転倒し、腕を骨折した77歳の女性を襲った。

 ほどなく、その女性は亡くなった。犯人はいわゆる「人食いバクテリア」であことが分かった。強力に進化した菌が女性の皮下組織に侵入し、筋膜と呼ばれる組織に感染し、まるでハリケーンのように行く手にあるもの全てをみるみるうちに破壊したのだ。(NGニュース)

 壊死性筋膜炎を引き起こす劇症型の細菌は、数種類いる。中でも最も一般的なのはA群連鎖球菌で、この人食いバクテリア菌が拡散しているというのである。実は私たちの身の回りに普通に存在する菌なのだ。人間の喉によく生息しており、普段は何の害も及ぼさないが、時に咽頭炎やしょう紅熱を引き起こして組織を壊死させることもある。

 たまたま筆者も喉に痛みを覚え、発熱もあり、2週間ほど悩まされたが、今でも鼻水が止まらない。

 2014年にA群連鎖球菌のゲノムの塩基配列が発見されると、細菌は過去数十年の間に4段階の変化が起こり、その結果により、伝染力の強い病原菌が生まれたことがわかった。特に、別々のウイルスに2度感染したことによって、細菌は病気を引き起こしやすいウイルスの遺伝子を併せ持つようになった、という研究報告があった。(つづく)

2018年2月13日付

コメント0

コメントを書く

Login

Welcome! Login in to your account

Remember me Lost your password?

Lost Password