政府方針に逆行するJR ジャパンレールパスの移住者排除 ㊤

 本日付け社会面で報じているようにJRは、来年4月以降、海外に永住権を持って生活している日本国籍者はジャパンレールパスが使用できなくなる。2年ほど前にJRは、今回同様の措置を打ち出し、二重国籍者のレールパス使用を中止した。これに対して海外日系人大会で復活を要望事項として入れ、関係省庁に陳情。その後、海外日系人協会の尽力でもとに戻ったのが昨年半ばのことだった。それから1年余で、同じことが蒸し返された▼安倍首相は2年前、コロンビア、ブラジルを訪問し、各国で活躍する日系人に触れ、日系人の力を再認識し、日系人とともに手を携えて日本を海外にアピールしていくことを考えた。この発想が、サンパウロのジャパンハウス設立につながったことは周知のことだ。しかも、今年初めに外務本省で開かれた中南米大使会議に自ら出席し、各国駐在大使に、それぞれの国の日系人と協同するよう訓示している。政府が率先して海外在住の日系人の重要性を認識しているとき、冷や水を浴びせるような今回のJRの決定は時代に逆行していると言わざるを得ない▼JR東日本によると、ジャパンレールパスを実施した当初は周知も徹底せず、使う人も少なかったので特例として海外の日本国籍を持つ移住者にも使ってもらった。しかし、今は多くの外国人がこぞって利用するようになったため、特例を廃止する、という。移住者の場合、ブラジルのようにイデンチダーデ(IDカード)で移住者と判別できれば問題ないが、国によっては判別しづらいため、窓口業務が煩雑になることも理由として挙げた。こうした面倒な作業を除外しようというのである▼利益を追求する企業としては当然のことといいたいのだろうが、日本と居住国の懸け橋役として努力を続けてきた移住者に対して後ろ足で砂をかけるようなことはすべきでない。海外からの観光客が2千万人を突破し、そのうち、移住者はごくわずかでしかない。弱者切り捨ての論理だ。いつまで移住者は差別され続けるのだろうか。ブラジルはじめ中南米各国の移住者は激減しているが、国際結婚などで世界中に日本人が生活するようになった。この新しい移住者たちに、ブラジルの移住者が味わってきた同じ苦しみをさせないためにも、このJRの措置を撤回させなければいけない。(つづく、鈴)

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2016年11月30日付

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