独拠点に世界で活躍する舞踏家 遠藤公義さんが公演などで来伯中

独拠点に世界で活躍する舞踏家 遠藤公義さんが公演などで来伯中
素顔の遠藤さん

 著名な舞踏ダンサーで、ドイツ在住の遠藤公義さんが、公演とワークショップのため今月初旬から来伯している。

 舞踏とは「暗黒舞踏」と呼ばれる、日本の前衛的な踊り、芸術のことを指し、日本国内より国外で高い人気を誇る。裸体を白塗りにし、全身を使った表現方法が特徴。遠藤さんは「舞踏はバレエの流れの中で語られるが、軽く、高く、広く、大きいバレエの動きとは全くの逆」と語り、「中にあるものを外に出すのがバレエ。舞踏は外にあるものを自分の中に取り込み、秘めた表現をするもの」と定義した。

 遠藤さんは1947年に中国の北京市で出生。戦後日本に引き揚げ、両親の親戚宅に一家で滞在した後、小学生の頃からは東京で育った。大学時代に演技を始め、ドイツの演劇に熱中。学生運動の先導役として日本各地で活動していたところ逮捕され、出所後両親の薦めもあり「日本から逃げるように」ドイツへと渡って、ゲッティンゲン市の大学へ入学したという。

 大学時代に独語を学んでいた遠藤さんだが、演技活動には言葉の壁が立ちはだかった。渡独3年後にウィーン演技学校へ入学。同校に正式に入学した初の日本人となった。

 舞踏を正式に始めたのは89年。舞踏ダンサーの大野一雄氏のワークショップに参加したところ、「あなたのやっていることは舞踏ですよ」と言われ、「自分のやっていることは舞踏なんだな」と認識したという。元来から肉体演技が好きだったと言い、「舞踏を始めたのは自然の流れだったと思う」と遠藤さんは話した。1年後、大野氏をゲッティンゲン市に招へい。大野氏の推薦もあり、同市に舞踏センターを設立した。

 その後は世界各地で公演やワークショップを行い、また独映画「HANAMI」と「フクシマ・モナムール」に出演。その名が大きく知られることとなった。ブラジルには15年前から招へいされるようになり、ほぼ毎年公演やワークショップのため来伯している。サンパウロ市とリオ市で音楽や演劇分野の優れた表現者に贈られる「プレミオ・シェル」も受賞している。

 遠藤さんは「舞踏は人生。踊りだけど、人生と言ったほうがしっくり来る。そして舞踏は常に自分との戦い」と語り、「3年前に大腸がんになったから、動きが苦しい時もある。そんな自分と戦いながら、健康第一でこれからはやって行きたい」と今後の目標を述べた。

 6月12日の帰国まで伯国内を忙しく回る。同1日には、SESCカンピーナスで「フクシマ・モナムール」の公演を行うことになっている。

2017年5月31日付

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