環境と気候変動① 世界の科学者が真水の大切さ調査

地球温暖化で水資源の蓄えが困難に

 【成田修吾】サンパウロ新聞3月24日付「水不足による非常事態、国内850以上の町が直面」の記事があった。前から危惧していたことが現実になってきている。今や世界中の科学者たちがそれぞれの国々の環境変化に基づき、真剣に真水の大切さを調査している。今までは、環境学者たちの推定でしかなかったことが、こうして身近で現実になってくると、私たちも生死をかけた行動を要求されるようになってきている。水は人間が生きていく上で欠かすことのできない重要な資源である。しかし、現在では、世界の一部地域で水が枯渇傾向にある。この水不足現象にも、地球の温暖化が関係している。なぜ、地球温暖化によって水が不足するのか、その原因を理解しておきたい。

◆地球温暖化によって降水量や降雪量にバラつき

 地球が温暖化することによって、「異常気象」と呼ばれる現象が起きている。異常気象は猛暑や厳寒などの気温の変化や、台風やハリケーンの発生率の増加に加え、降水量や積雪量の変化をも引き起こす。降水量や降雪量が年間を通して減ってしまえば、当然ながら水不足が発生する可能性もある。

 また、年間を通しての降水量や積雪量に問題がなくても、ある一定期間だけ降水量や降雪量が増加して、その分、他の期間に激減してしまうなど、時期によってのバラつきが生じることが危険だ。一定期間に予想外の降水量の激減が発生し、蓄えておいた水でまかなうことができなければ、深刻な水不足問題につながる。至極当然のことと言える。

◆地球の温度上昇によって水の蓄えが困難に

 空から降ってきた雨や雪は、ほとんどが地面に吸収される。地面に吸収された水の多くは空気中に蒸発してしまうのだが、そのうち蒸発せずに河川まで流れ込んだ水が、人間が生活に使用できる水資源となる。また、寒いところでは冬に降った雪が春先まで溶けずに残っているが、この雪も水を蓄える役目を果たしてくれているのである。しかし、地球が温暖化して気温が全体的に上昇すると、雪が春先まで残らずに溶けてしまったり、地面に吸収された水の蒸発量が上昇してしまい、人間の使用する水を十分に蓄えておくことができなくなってしまう。

◆農業に使用する水は世界の年間需要量の約70%に

 ご存知の通り、水は農業や工業、そして各家庭で毎日使用する大切な資源である。特に、農業に使用する水は世界年間需要量の約70%に達するとも言われている。もし水が不足したら、農業にも大きなダメージを与えることになるため、当然のことながら食糧不足に陥る可能性が十分ある。水が不足している原因は必ずしも地球温暖化だけではなく、世界の人口増加や発展途上国の経済成長によって、水の消費量が上昇したことも関係している。しかし、地球の温暖化が何かしらの形で影響を与えていることは確かで、生活に支障をきたすほどの深刻な水不足問題に陥る前に、地球温暖化を解決するために努力を強力に進めていく必要がある。

◆エネルギーと水の衝突

 エネルギーと水は、ともに現代社会が必要とする資源であるが、気候変動の緩和と適応をめぐって、この二つの優先順位をめぐる衝突が起こる可能性が高い。発電について言えば、太陽光や風力は水使用量が非常に小さいが、天然ガス→石炭→原子力→石油の順に使用量が大きくなる。水力はさらに大きく、それよりも大きいのが第一世代のバイオ燃料(サトウキビ、植物性油、動物性油脂など)である。

 電気自動車の普及は、電力の電源構成にもよるが、走行距離あたりガソリン車の3倍の水を使用していることになるという研究報告もある。

 水資源を確保するための淡水化プラントや、水のパイプラインは、エネルギー使用量が非常に大きい。

 質の良い水源を必要とする飲料、食品、半導体・精密機械、バイオテクノロジー・医薬品では、地元コミュニティーとの摩擦が起こりやすい。例えば、地元水源からの取水量を巡る対立が生じることがある。これは、途上国に限ったことではなく、アメリカでも起こっている。

 食品、バイオテクノロジー・医薬品、製紙、鉱業、電力は排水の面でもリスクがある。こうしたことが地域社会からの評判や規制リスクが高まっていくことも事実である。(つづく)

2014年4月19日付

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