環境と気候変動④ 生活が招く自然破壊の拡大 成田 修吾

 私たちが使用する電気の量を減らすことが、エネルギーの過使用を防ぐことになる。

 ある研究論文によれば、人間の使用する電力消費を3割減らすことができれば、世界すべての原子力発電所を停止することができるそうだ。東日本大地震の被害を受けた福島原発では、今でも廃棄処理ができていない。また、ほかの原発も再稼働するにいたり、今後の放射性廃棄物による海洋汚染も大きな問題である。

 原子力発電所を持つ世界のどの国でも、核燃料の最終処分についての見通しがないのだ。原子力発電で今後、ドラム缶で100万本もの放射性廃棄物が発生する見通しで、その処理方法がまだ見つかっていないのが現状である。いったん放射性のゴミが海に捨てられると、何世紀にもわたって影響することになる。私たちが電気量を減らせば、その分、原子力発電の必要も減るわけである。私たちの生活を見直す時が来ているのだ。

 命の源の水資源の枯渇や汚染は、放射能物質、ゴミ、大気汚染などの原因によって世界中で複雑かつ深刻な問題が現実化している。そうした時に、暑いとか寒いとかで大量に電気量を消費している私たちのエゴによるエネルギー生産が自然破壊を続けてきたのである。

 原子力発電は放射線が怖いので、水力発電にすれば良いという考えが生まれるだろうが、ダムの建設は実は逆効果なのである。ダムの建設によって森林を伐採・大雨による土砂崩れが増加するからだ。

 森林を育んできた土壌が伐採されると、そこに住んでいた幾多の微生物が死滅して、土が砂に代わってしまう。砂は、雨水に洗い流されて海へと流されてしまう。雨水をとどめることができなくなった所では、水分が蒸発作用を早め、地下水へと蓄えることもできなくなり流されてしまうのである。

 ダムを造って貯水の役割と発電の役割として十分大きな効果をもたらすことはできるが、このように変わっていく気候変動で降雨地域が移動してしまえば、ダムも無用の長物になってしまうし、貯水機能がなくなり、上流と下流の生物生態系まで破壊してしまうことを忘れてはならない。

 ここはひとつ、エネルギーの原点にもどって、海水力、風力、太陽のエネルギー開発を急ぐ必要があるように思う。(つづく)

2017年4月26日付

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