留学制度は日伯の生命線㊦ 人気のJICA日系人研修制度

留学制度は日伯の生命線㊦ 人気のJICA日系人研修制度
1月の第50回ACEBEX講習会開会式の様子

 留学制度が多様化している現在、最も盛んに研修生を送り出しているのがJICAの日系人研修制度・次世代育成研修になる。

 1971年に始まった移住研修員受入制度は、97年からJICA日系研修員制度と名前を変えた。年間約110~120人が1カ月から10カ月までの期間で、日本で様々なテーマの研修に参加している。2014年に、安倍晋三首相が来伯してからは、「若い世代に、今後の日系社会をリードし、活性化させてほしい」という意を込めた次世代育成研修として年間約145人の枠に拡大されている。旅費や生活費は、全てJICAが負担している。

 研修員を募る際、県人会から要請を出し、総領事館と協力して広報も行っているというが、県人会側からは「研修への予算の枠が県人会からJICAに移行されている」とし、「県人会にとっては、案内を出すだけで、誰が日本へ行ったかなどが分からない」という声が聞かれる。一方、JICA側からは「県人会側から情報提供を求める声は今のところ来ていない」と話しており、今後は、県人会側との盛んな情報交換も必要になりそうだ。

 県人会の留学制度より、研修内容のバリエーションが豊富にあることや費用の全面負担など、JICAの制度を魅力に感じる若者も多いようだ。

 パラナ州と姉妹都市提携を結んでいる兵庫県では、ブラジル兵庫県事務所を通じて、県国際交流協会(兵庫)からの独自財源を活かし、兵庫海外技術研修制度の研修生(最長3カ月)が各年で派遣されている。同制度では、日本企業へのインターンとして日本・国際ビジネスなどを学ぶ機会を提供している。募集の基本は、県人会・パラナ州の推薦になっており、他県人会とは違う形の研修制度に当たる。

 類例として、青森県人会では08年まで、母県とサンタ・カタリーナ州が姉妹都市提携を結んでいたため、同州から年1人、研修生が出ていた。

 最近では、日本への留学を希望する3世以降の若い世代に、留学を経験した同世代が、指導者として自身の経験や日本での生活のノウハウまでを指導する活動が盛んに行われている。

 1月に開催された第50回ACEBEX(研修生OB会)講習会では「日本で日本語や、技術を学びたい」という声や、「日本で家族の歴史や、生活を知りたい」と自信のルーツを見つめる声が同世代から聞かれた。

 同講習会では、指導者の多くが元県費留学生。近年盛んになってきた青年部・県人会活動など、帰伯後に日系社会の活性化に貢献している若者に、県費留学経験者が多いことも見受けられた。

 現在、県人会を引っ張っている会長・役員の中には、2世の世代が多く、その大半が留学制度を経験している。

 移民110周年で、日本から慶祝団が数多く訪れる好機に、日系社会側から留学制度見直しを訴えなければとの声は強いが、同時に日系社会の力で日本側に留学・研修生を送る方法も模索していかなければいけない。

 来年は県費留学制度発足60周年になり、同制度の転機にできる時期を迎えている。(戸)(おわり)

2018年3月15日付

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