皇太子殿下が基調講演 第8回世界水フォーラム

皇太子殿下が基調講演 第8回世界水フォーラム
基調講演を行う皇太子殿下(本紙撮影)

「21世紀は水による幸福な世紀に」

皇太子殿下が基調講演 第8回世界水フォーラム
国際会議場で行われた開会式(本紙撮影)

 ブラジリア連邦直轄区の国際会議場「ウリセス・ギマランエス・コンベンションセンター」で19日、「第8回世界水フォーラム」が開幕した。3年に1度開催される世界の水問題を扱う国際会議は、23日まで開催される。今回、治水、利水など水問題の研究をライフワークにしている皇太子殿下が、9年ぶりに同フォーラムに出席された。19日に外務省庁舎「イタマラチ宮」で行われた開会式であいさつされたほか、同日午後の「水と災害」に関する会合で基調講演された。

 1997年から3年ごとに開催されている同フォーラムは、水事業に関するNGOや技術者、企業、各国政府関係団体など、世界中から約2万5000人が参加した。

 皇太子殿下は、治水や利水といった水に関する研究をライフワークにしており、2003年に京都市などで開催された第3回に名誉総裁として初めて出席され、記念講演を実施。06年にメキシコシティで開催された第4回ではテムズ川の水運や、江戸の水運と上水道などを主題に、09年にイスタンブールで開催された第5回では日本人が培ってきた水に関する知恵や工夫について、それぞれ講演された。

 今回の開会式では、イタマラチ宮に集まった国賓らがスクリーンでに映し出される形であいさつし、開会宣言を行った。

 ブラジルのミシェル・テメル大統領はあいさつで、ハンガリーの国家元首など世界中から集まった来賓、参加者の紹介の中で、「徳仁(なるひと)」と皇太子殿下の名前を読み上げ、歓迎の意を表した。また、テメル大統領は水の文化、意見などが国際会議の場のプレゼンによって理解が深まることを期待する旨を話した。

 皇太子殿下も同宮であいさつされ、午後にはテメル大統領主催の昼食会にも参加された。

 4度目の出席となる今回のフォーラムでは「水の共有」が主要テーマとして掲げられ、皇太子殿下は同2時半からの「水と災害」の会合で、基調講演。午後2時34分に会場に入られ、同3時11分から同45分まで英語で話された。

 「繁栄・平和・幸福のための水」と題された講演で皇太子殿下は冒頭、「日本人移民がブラジルに入って110周年になる記念の年」と話し、ブラジルの発展に貢献した全ての人に敬意を表された。また、山梨県の「三分一湧水」や、今回1982年に続く2度目の訪問を果たしたセラード農牧研究センター(CPAC)など世界中を視察した例を用いて、水が歴史的にも繁栄や平和を支えてきたことを説明された。

 さらに、気候変動による洪水や干ばつなどの水災害に対して、国際社会の結束を呼びかけ、被害を受けるのは、「社会的に立場が弱い人々です」と訴えた。

 講演の最後に、「21世紀が、水による繁栄、平和そして幸福の世紀になることを願っています」と強調され、ポルトガル語で「ご清聴ありがとうございました」と締め括った。会場に集まった約350人からは、盛大な拍手が送られた。

 皇太子殿下は米国ニューヨークの国連本部でも2013年と15年に「水と災害」の講演を行っており、社会的、歴史的観点などを踏まえて同テーマの重要性を訴えてきた。

 同フォーラム参加後、皇太子殿下はテメル大統領を表敬訪問された。

2018年3月21日付

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