盛況だった第22回移民祭 3日間で2万1000人が来場

50の国と地域が参加、料理や舞踊披露
各国、各地域の様々な料理の出店は終始盛況だった

50の国と地域が参加、料理や舞踊披露

 サンパウロ州立移民博物館と同州文化局主催の「第22回移民祭(Festa do Imigrante)」が、4、10、11日の3日間にわたって、サンパウロ市モッカ区の同博物館で開催された。3日間で計約2万1000人が来場し、大盛況となった。約50の国と地域が参加し、それぞれの料理、雑貨などの出店が並んだ。ステージ上では民族舞踊や音楽のショーがあった他、特設された教室では、踊りや手芸のワークショップなどを楽しむ姿も見られた。

 第22回目となる同祭は、今回も多種多様な民族の伝統文化が紹介され、ブラジルという国が多くの国と地域から移民を受け入れてきた歴史を示すものとなった。

 料理の出店では、日本、韓国、ベトナム、インドといった東、東南、南アジア諸国の料理の他、ロシア、アルメニア、エジプト、フランス、ノルウェー、モザンビーク、チリ、メキシコなど、あらゆる大陸の民族料理が販売された。スペインのパエリアや、ノルウェーのサーモン、イタリアのニョッキ、インドのチキンカレーなどといった日本人にも馴染みのあるものから、ポルトガルのバカリャウ(干し鱈)のコロッケ、ロシアのギョーザに似た料理である「ペリメニ」、モザンビークのココナッツ菓子「マトリトリ」、アルメニアのバーベキューのような「ホロバツ」といった料理なども来場者の目を引いた。

 日本料理の屋台では、天ぷら、焼きそば、手巻き寿司、かき氷などが販売。毎年のように参加する竹内隼人さん(57、2世)は、「今回店を手伝うのは8回目くらいだが、人は毎年増えている」と話していた。かき氷を作る機械は日本製のものだそうで、練乳やシロップがたっぷりかかった甘めの味付けには来場者も満足気だった。

 手芸品を売るコーナーでは、ブルガリアの茶器、セネガルの仮面や人形、ロシアのマトリョーシカなども売られていた。日本の店ではアニメ、日本画のタイルや、土産用の日本人形、日本刀などが販売されていた。

 ステージ上では民族音楽や踊りなどのショーが行われ、10日の午後2時からは昨年も参加したサンミゲル・パウリスタ市の「天龍和太鼓」による演奏が行われた。約30分間の演奏中に観客の数が増え、立ち見も含め約300人が迫力ある音色に聞き入っていた。

 演奏を聞いていた木村衛(まもる)さん(87、長野)は、「良かった。(ソロカバの)コロニアでも舞踊などはよくやったけど、和太鼓はなかったね」と懐かしんだ。同移民祭に関しては、「初めて来たけれど、色んな移民がいて、それぞれの国の食べ物、人、文化、色々見れて良い。普段、街では分からないような東欧などの(文化の)違いが分かるのが楽しい。踊りも色々違いがあって良い」と満喫している様子だった。

 「天龍和太鼓」メンバーの中村茉利さん(22、高知)によると、同グループのメンバーは演奏を見て集まってきた非日系人や学生などを中心に、約20人が所属。15年の歴史を持ち、県連主催の日本祭りに参加したり、第9回ブラジル太鼓選手権大会のジュニア部門で優勝した経験も持つ。中村さんは、「もっと人数を増やしつつも、日本の文化を忘れずに、ブラジルだからこそ日本文化を大事にしていきたい」と語った。

盛況だった第22回移民祭
日本食を売る屋台も出店
 同日午後4時からは、芸者をかたどった栞(しおり)を作るワークショップも行われた。ワークショップを開いた光田雄三さん(2世)は、「祖父に教わった栞作りを通じて、博物館の援助をしたい」と思いを語った。

 日本食ブースで働いていた前述の竹内さんによると、同移民祭の利益の約25%は移民博物館に寄付され、今なお移民や難民を受け入れている同施設の運営費に回されるそうだ。移民博物館はかつて移民収容所として、日本移民を含む各国の移民たちがサントス港から蒸気機関車に乗って移動してきて、滞在した場所だ。

 現在も移民や難民を受け入れており、無料の朝晩の食事や、シャワーなどが付いた簡易宿舎が提供されている。

 10日、会場にいたベネズエラからの難民のダグラスさん(49)によると、今も施設全体で計約1200人が生活をし、ダグラスさんは50人の共同部屋で寝ているという。同施設内で暮らす人は、各地方から来たブラジル人がもっとも多く、ハイチやアフリカなどからの難民も施設を利用しているようだ。

 同移民祭については、「ベネズエラのものは探したけど見つからなかったし、各国の料理も良い匂いがするだけで、僕はこの祭りと関わりがある気は全くしないよ」と苦笑いを浮かべ、「いつかベネズエラの文化が紹介できる日が来たら良いけど、まずはここの生活に慣れなきゃ」と話し、盛況となった移民祭の陰で、今なお続く移民難民の苦労をにじませていた。

2017年6月13日付

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