第9回国際地学オリンピック 22カ国から85人の高校生参加

第9回国際地学オリンピック 22カ国から85人の高校生参加
地学プロジェクトの発表会の様子

日本は金1、銀1、銅2のメダル獲得

 【ポッソス・デ・カルダス発=羽田和正記者】高校生のための地学の国際大会「第9回国際地学オリンピック」が13日から20日までミナス・ジェライス州ポッソス・デ・カルダス市で開催された。世界22カ国から18歳以下の高校生85人が出場し、筆記科目と実技科目で地学の専門的な知識を競った。日本からは4人の高校生が出場し、金1、銀1、銅2のメダルを獲得した。

 国際科学オリンピックのうち、日本は化学、物理、生物学、地学、数学、情報、地理の7教科に参加している。
 今回開催された「国際地学オリンピック」とは、高校生のための地学の国際大会で、地学学習の促進や地学教育における国際交流・協力などを目的に開催されている。2008年に第1回大会が韓国で開催され、日本は09年の第2回フィリピン大会から参加を開始。その同年に、国際地学オリンピック日本委員会を設立し、国内予選(応募者1800人)を突破した4人の高校生を派遣している。第9回目の今年は、22の国と地域から85人の高校生が参加した。大会共通言語は英語。
 大会期間中は、実技・筆記競技の他にも、国籍の異なる7人でチームを編成し、協力して任務をこなす国際協力野外調査や地学プロジェクトも行われた。
 国際協力野外調査では、浮き輪と時計を用いて川の流水速度を計測したり、自らの知識を頼りに開催地周辺の土壌を調査した。地学プロジェクトでは「エルニーニョ現象がブラジルに及ぼす影響」について出題され、各チーム一丸となって協力し考察を述べた。
 大会について、地学オリンピック日本委員会の瀧上豊事務局長は「全競技者の成績上位1割に金、続く2割に銀、3割に銅メダルが授与されるため、選手らの半数以上はメダルを獲得する。同大会では、結果も大事だが、それ以上に国際交流を促進するのが狙い」と強調した。
 金メダル獲得数順位は韓国が1位、台湾が2位、インドネシアが3位で、日本は5位だった。
 メダル獲得について、瀧上事務局長は「実習と筆記で両方バランスよく点を取れなければ、金メダルは狙えない。日本は地学履修者が他の理系科目に比べ圧倒的に少なく、指導員が不足している。(日本は)筆記科目は強いが、屋外での実習の経験が他国に比べて少ない」と説明した。実技科目の競技では、日本にない岩石や鉱物の鑑定を要求され、代表選手らを苦しめた。
 金メダルを受賞した辻有恒さん(3年、灘)は「手が震えるほど嬉しい」と喜びを口にした。
 銀メダルリストの土井聖明さん(3年、広島学院)は「科学分野での英語の大切さを身を持って理解した。英語ができて漸く(ようやく)、科学者としてのスタートラインに立つことができるのだと思う」と話す。
 銅メダルリストの沖中陽幸さん(3年、広島学院)は「自分の意見をぶつけて、相手に理解してもらうことの難しさを知った」と噛みしめた。同じく銅メダリストの茂木隆伸さん(3年、筑波大学付属駒場)は「他国の生徒で日本語、韓国語、タイ語、英語の4カ国語を操る者やルービックキューブで世界10位の記録保持者もいた。非常に国際色の豊かな大会でした」と振り返った。
 来年8月の第10回大会は三重県での開催を予定している。4人の正規出場選手のほか、三重大会のサポートに協力するため参加した角谷優馬さん(高校3年生)は「専門知識のみならず、チーム内での組織運営的な能力が国境を越えて発揮できるかも試されていたと思う」と分析した。 

2015年9月29日付

第9回国際地学オリンピック 22カ国から85人の高校生参加
表彰台に並ぶ日本代表、茂木さん(銅)、沖中さん(銅)、辻さん(金)、土井さん(銀)(左から)
第9回国際地学オリンピック 22カ国から85人の高校生参加
日本チーム一行(前列左から)日本代表の4人―土井さん(銀)、辻さん(金)、茂木さん(銅)、沖中さん(銅)。中列中央・角谷さん

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