第20回県連日本祭りで活動 県人会を支える元研修生たち

第20回県連日本祭りで活動 県人会を支える元研修生たち
川上ケリーさんがデザインを担当した高知県人会のブース

46県参加の郷土食ブースで協力

第20回県連日本祭りで活動 県人会を支える元研修生たち
ヒロセ・カオリさんと川添会長(左から)

 県連(山田康夫会長)主催の第20回日本祭りの目玉の一つである郷土食コーナー。今年も46の県人会が中心となり、様々な郷土食を販売した。現場では1世、2世を中心とした婦人部などが支える県人会もあれば、若い世代が中心となって和気あいあいとしているブースもあり、雰囲気は様々。その中でもポ語中心の若い世代と1世、2世の世代の懸け橋となっている元研修生3人を取材し、それぞれの体験を語ってもらった。

 会場の中でもポップなロゴを使用した看板で来場者の目を引いたのは、ブラジル高知県人会(片山アルナルド俊一会長)。デザインを担当したのは、元研修生の川上ケリーさん(27、3世)だ。2013年6月から14年3月まで同県にある高知新聞の広告センターでデザインを学んだ。

 仕事や、県外に居る親戚に会いにいくことだけでなく、ボランティア活動を通じて地域の子供とも積極的に交流を図った川上さんは、「会う人みんなを通じて考え方が広がった」と振り返る。現在はデザインとマーケティングを行う自身の会社「Santa Ideia」をブラジルで立ち上げ、研修で学んだ専門的な経験を活かしている。

 高知県の料理ではカツオのタタキが一番気に入ったそうで、同県のブースでも張り切って販売している姿が印象的だった。「今はブラジルで自分の好きな仕事をしているが、日本へも将来、機会があれば行きたい。日本が懐かしい」と語った。

 同じく魚料理、焼きニシンなどの販売で来場者を集めたのが、ブラジル北海道協会(大沼宣信会長)。同協会には「ヒグマ会」という青年部があり、多くの青年らが同ブースの中軸として働いていた。

 16年4月から17年4月まで北海道大学へ県費留学生として訪日した田川竹男さん(27、3世)は、日本で仕事を見つけたケースだ。パラナ州パラナ連邦大学で土木工学の学士を取得した田川さんは、北海道大学で橋梁工学を学んだ。留学中、地震工学なども学ぶ機会があり、こうした細分化された専門分野が日本の大学にしかなかったという。

第20回県連日本祭りで活動 県人会を支える元研修生たち
田川竹男さん

 また、北海道大学はパラナ連邦大学に比べて留学生の数も多く、多様な国籍の学生たちと交流ができたのも貴重な経験だったと振り返る。帰国後にスカイプ(インターネット通話サービス)を通じて、自分の専門を活かせる日本の土木系の会社と面接を行い、就職が決まった。今後はそのまま日本で暮らすかとの記者の問いには、「(日本に)ずっと居るつもりはない。多分2、3年くらい。家族や友達がいるブラジルに帰ってきたい」と話していた。

 最後に話を聞いた在伯長崎県人会(川添博会長)のヒロセ・カオリさん(24、3世)。15年9月から16年2月まで、長崎県すこやか長寿財団で研修を行い、高齢者と関わってきたというヒロセさんは現在、聖州内でピラティスというエクササイズの指導を行っている。今は日本語を使う機会がほとんどないと話すヒロセさんは、毎年ボランティアとして手伝う日本祭りで1年ぶりに使ったという。

 長崎県人会は特に青年部の交流が盛んで、ヒロセさんも龍(じゃ)踊りを試してみたり、卓球大会を楽しんでいたりするそうだ。県人会を通じた研修や留学の経験は、語学や専門技能、価値観、アイデンティティーなど様々な面に、それぞれの仕方で影響を与えているようだった。こうした世代が今後、日系社会の将来を生きていく。

2017年7月15日付

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