【移民106周年】聖市で移民106周年慰霊祭 先人の足跡振り返り功績に感謝

サンゴンサーロ教会での慰霊ミサに出席した日系団体代表ら

 ブラジル日本移民106周年を記念した毎年恒例の慰霊ミサ及び法要が18日、サンパウロ(聖)市内にあるサンゴンサーロ教会、イビラプエラ公園内開拓先亡者慰霊碑前、リベルダーデ区の文協記念講堂と、それぞれの場所で執り行われた。一般参列者が年々減少する傾向にある中、各行事には福嶌教輝在サンパウロ総領事をはじめ、文協、援協、県連など各日系団体関係者たちが出席。先人の足跡を振り返り、その功績に感謝の意を表した。

サンゴンサーロ教会
午前8時からは聖市セントロ区ジョン・メンデス広場にあるサンゴンサーロ教会で先駆者慰霊ミサが行われ、約110人が参列した。

 ミサには、佐野浩明在サンパウロ総領事館首席領事、木多喜八郎文協会長、本橋幹久県連会長、菊地義治援協会長、アリアンサ(日伯文化連盟)の島袋マリオ氏、平田藤義商工会議所事務局長らが日系団体代表として出席した。

 フレイ・アレシオ神父によって執り行われたミサでは、日系団体代表らが「感謝」「先祖の永遠の安らぎ」「過去を未来に生かす」などをそれぞれ祈願した。

 木多文協会長は、「私の両親も移民。その世代の方々のお陰で今の日系社会がある」と感謝を示した。

 聖母婦人会の安岡ローザ会長は「今日という日を迎えて非常に感慨深い。先人が残した日本人の良いところをしっかり受け継いでいきたい」と話した。

 文協創設委員のメンバーの一人で60年以上もの間、日系社会を見つめてきた原沢和夫さん(89、新潟)は「毎年移民の日だけは必ず催しに参加するようにしている。だんだん参加者が減っていて寂しい」と率直な思いを述べた。

 ミサ終了後には文協が用意した軽食を囲み、参列者同士で先駆者について語り合う姿が見られた。

イビラプエラ慰霊碑
ブラジル日本都道府県人会連合会(県連)と仏教連合会(仏連)による移民の日の追悼慰霊法要が、午前10時半から聖市イビラプエラ公園内の開拓先亡者慰霊碑前で営まれた。

 各県人会・日系団体代表ほか、福嶌教輝在聖総領事、室澤智史JICAブラジル事務所所長など日本政府機関関係者、羽藤ジョージ聖州議など60人あまりが訪れ、現在のブラジル日系人社会の礎となった先人に感謝を捧げた。

 慰霊碑前には33県人会が持参した過去帳が並び、木原好規・県連慰霊碑委員長の進行で法要を開始。采川道昭仏連会長が導師を務め、読経の中、出席者一人一人が焼香した。

  碑を管理する県連の本橋幹久会長は追悼の辞で、「苦難の多かった初期入植者、志半ばで不幸にも倒れた人たちに思いをはせ、慰霊する気持ちを忘れてはいけな い」と移民の日に追悼行事を行う意義を強調。「移民の日は1世にとっては戸惑いの多かった移住の初期と故郷に思いをはせる日、2世以降にとっては家族や生 まれ育った植民地を振り返り、また祖父母から聞いたルーツの日本に思いをはせる日」と位置づけ、日本からも多くの関係者が訪れる慰霊碑を守っていく決意を 示した。

 采川仏連会長は焼香後、同法要を「苦労した先人をしのび、先人の努力に感謝申し上げるまれなる機会」と話し、参加者に感謝を表した。

 今年4月に真宗大谷派の門首後継者に選定された大谷暢裕・開教司教(62)は、今回初めて慰霊碑での法要に参加した。「とても穏やかで、気持ちが静まるいい法要だと思います」と話す。

  この日は昨年に続き、第1回笠戸丸移民を実現した「移民の父」水野龍の息子、龍三郎さん(83)もパラナ州クリチバから出席した。法要後、「こういう法要 を父が見ていたら喜んだろうと思います」と穏やかな表情を浮かべた龍三郎さん。「父は移民が失敗したと思って死んだが、笠戸丸の子孫や皆がこうやって良く なっているのを見たら喜ぶと思う。日本の困っている人を良くする、それが父の目的だったから。そういう考えを持っていた父を誇りに思います」と話してい た。

文協追悼大法要
ブラジル日本文化協会(木多喜八郎会長)と仏連(采川道昭会長)共催による開拓先亡者追悼大法要が、予定より30分遅れの午後2時半からリベルダーデ区の文協記念講堂で行われた。会場を訪れた総参加者数は約200人と当日が悪天候だったこともあり、空席が目立った。

 法要には羽藤ジョージ聖市議、福嶌教輝在聖総領事、室澤智史JICAブラジル事務所所長をはじめ日系3団体代表や日系各団体代表、水野龍の三男、龍三郎さん(83)らも出席した。

 同法要は釈尊讃仰会副会長の奥山啓一氏の辞によって開会し、茶道裏千家、生け花協会、美和会、深山会による献茶・献花・献楽が行われ、采川導師により三帰依文が唱えられ、来賓焼香並びに来賓者追悼の辞と続いた。

  木多会長の代読として山下譲二文協副会長は「今日の日系社会の繁栄は先代移民が積み重ねて残された数々の業績とご努力の賜物。私たちもその意思を継ぎた い」と語り、福嶌総領事は「一世紀を超える日本人移民の歴史は成功への強い意志と団結によって厳しい現実に立ち向かい、道を切り開いてきた歴史だと痛感し ている」と、それぞれ先亡者に対して哀悼の意を述べた。

 その後、読経や来賓・参列者の焼香が行われ、最後は菊池顕正サンパウロ東本願寺総長によって法話が唱えられ、先亡者の霊を慰めた。

 会場を訪れていた石原アラン勇二さん(26、2世)は4年前から法要に参加しているが、今年が特に来場者が少ないことに対し「若い人の参加が少ない」と状況を語った。

 一方で石原さんと共に参加していた佐藤絢香(あやか)さん(15、4世)は「18日が『移民の日』だということを今まで知らなかった。いい勉強になりました」とコメントし、初めての法要の雰囲気を体感していた。

2014年6月21日付

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