被爆者3人の人生題材に 原爆投下後の恐ろしさ演じ

被爆者3人の人生題材に 原爆投下後の恐ろしさ演じ
劇中の一幕。渡辺淳子さん、森田隆さん、盆子原国彦さん(左から)

 ブラジル被爆者平和協会の森田隆会長、盆子原国彦副会長、渡辺淳子理事による広島に原爆投下後の実態と、森田会長のブラジルでの実体験を描いた公演「OS TRÊS SOBREVIVENTES DE HOROSHIMA」が、12、19、26日の午後9時からPopular Theater João Caetano(Rua Borges Lagoa, 650)で行われている。初回の12日には、150人以上が来場した。

 2013年から始まった同舞台は、サンパウロ(聖)市の援助を受け、今回で14回目を迎える。当初は1人=1グループとして10グループを構成し、各グループで個人の人生の一幕を日系3世のロジェリオ・ナガイ氏がプロデュースしてきた。今回は被爆者3人の人生を題材にし、原爆投下後の広島を被爆者本人が演じる貴重な作品となっており、ブラジル社会に原爆の恐ろしさを訴えた。

 前日のリハーサルで、演者の想いを聞いた。森田会長は「1つの原爆で1つの街を吹き飛ばすのは許されない。実情を伝えることが被爆者の仕事・使命だと思っている。力ある限り続けたい」と93歳になった今も原爆の惨状を訴え続ける意思を語った。

 12日の本番は、来場者の大多数をブラジル人が占め、日系人も多数、来場した。

 舞台は1人1羽ずつ黒い折り鶴を落とすところから始まり、原爆投下後の広島・爆心地を、水を求めて彷徨(さまよ)う姿が演じられ、来場者には現実の出来事とは思えずに戸惑う表情を見せる人や、涙を流す人も多数見受けられた。また、森田会長の誕生秘話、強盗撃退の話がコメディーとして再現されており、会場が笑いで包まれる一幕もあった。終盤では「戦争なき自由な世界を」というメッセージが読まれ、被爆者3人による貴重な作品が締めくくられる。

 観劇したブラジル人女性のマルガリダさん(62)は「息子が長崎に1年間住んでいたことがあり、原爆投下の惨状を知ることは全ての人にとって、とても大切なこと。心を動かされた」と話した。

 また、記録映像作家の岡村淳さん(58、東京)は「高齢の被爆者の方々の舞台での奮闘に胸を打たれたが、被爆者自身の証言と演技を混同する演出には疑問を感じた」と今回の作品を見つめた。

2017年8月18日付(8月21日加筆修正)

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