路上生活者への職質禁止 暴行事件から1カ月=サンパウロ市GCM

 サンパウロ市内南部の地下鉄コンセイサン駅近くの路上において今年5月初め、路上生活者らによって路上などに放置された物品を回収するというサンパウロ市役所職員によるオペレーションに帯同していた同市警備隊(GCM)の隊員が、路上に暮らす1人の男性に暴行を加えて手首を骨折させた上に、男性の所有物を強制的に「回収」し、さらに、正当な理由無く男性の身柄を拘束して警察署へ連行するという事件があった。

 事件後、文民警察は職権乱用と傷害の容疑でこの警備隊員を調べると発表。ジョアン・ドリア市長(PSDB)は「その行為は処罰されるべきだ」などと警備隊員の行為を強く非難し、同市人権市民局と都市保安局は、同事件に関与した警備隊員らの行為はサンパウロ市役所の政策、方針と一致するものではないなどとする声明を発した。

 その事件からほぼ1カ月後の5月31日、サンパウロ市役所は、同市警備隊が路上生活者の持ち物を取り上げる、または職務質問を行うことを禁じるとする決定を同市の官報で告知した。

 決定は、放置物の回収などの行為は市役所の地域支所の職員によってのみ行われるとし、たとえ役所の担当職員であっても書類(出生証明、身分証明など)や薬、カバンなどといった私物、そしてリヤカーや工具などといった仕事で使用される物、さらにマットレスや毛布、鍋、コンロ、段ボールなどといった生存するために必要な物品の回収はできないと規定している。また、路上生活者らがこれらの物品を所持し続けるためには、自身が持ち主である旨を明言するだけで良いと保障している。

 規定はさらに、路上の放置物を除去するオペレーションへの帯同を地域の役所から求められた場合、警備隊の任務は、オペレーションを実行する職員らの権利を保護すること、そしてオペレーションによって影響を受ける人々の権利を保全することであるなどとし、警備隊の役割はあくまでも警備することだとしている。

 なお、同市においては警備隊による路上生活者らの持ち物の「回収」はそもそも禁じられていたが、今年1月、新たに発足したドリア市政によって、警備隊による回収・除去を禁止する条文が削除された。

2017年6月2日付

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