車の防弾化 15%成長見込む 「都市暴力」増加で需要拡大

 ブラジルの自動車向け防弾施工市場は2017年に前年比で19%縮小したが、リオ州やサンパウロ州などにおける暴力沙汰の増加に沿うかたちで、18年は前年に対して15%拡大すると見込まれている。伯メディアが3日付で伝えた。

 平均すると、ブラジル国内では毎年約6万人が殺人行為の犠牲者となっている。この数字はブラジルの人々に不安感をもたらし、結果として、自動車の防弾施工市場に再び熱を帯びさせる可能性がある。

 ブラジル防弾施工業者協会(Abrablin)のデータによれば、17年にはブラジル全体で約1万5000台の自動車が防弾化された。昨年は防弾施工市場の勢いが衰えていた時期なのだが、この約1万5000台という数は、同協会が1995年からまとめている統計の上では、それぞれ約1万8000台が防弾化された15年、16年に次いで史上3番目に大きい。

 同協会の見積もりでは、18年には約1万7500台に対して防弾加工が施される見込みだ。

 人身警護業務を手がけるザ・ファースト・コンスルトリア社(THE FIRST CONSULTORIA)の警護専門家であるロベルト・コスタ氏は、ブラジル国内における都市暴力の増加が、防弾施工市場のターゲット・オーディエンス(訴求対象)を拡大させたとみている。同氏は「1990年代までは防弾仕様車を持っていたのは裕福な人達だった。今は中間層の人々もこの種のプロテクション(保護)を選んでいる」と強調する。現在、自動車1台を防弾化するのにかかる費用は平均で5万レアル(約160万円)前後と言われている。

 ブラジル全体の自動車防弾化需要の73.99%はサンパウロ州に集中している。銃撃事件などの暴力沙汰が頻繁に発生しているリオ州はサンパウロ州の次に大きな市場だが、そのシェアは今のところ8.45%程度だ。ただし、ブラジル防弾施工業者協会のマルセロ・クリスチアンセン会長の見方では、リオ州内の防弾施工市場はこの先、国内の他の地域よりも大きく拡大する。同氏は「リオ州の防弾業界は昨年30%伸びた。18年は20%伸びるはずだ」と話す。

 現在、ブラジル国内には250社の防弾施工業者が存在する。そして、約19万8000台の防弾仕様車が現役として稼働している。その防弾仕様車のユーザーの職業に関しては、全体の67%が企業の経営者または幹部、14%が政治家、9%が裁判官、8%がアーティスト、そして2%がこれら以外の様々な職業、というデータがある。

 クリスチアンセン会長によれば、全国的に犯罪が増加している昨今は、中古の防弾仕様車の需要も拡大している。防弾加工業者「ブロッカー・ブリンダージェンス」(Blocker Blindagens)のオーナーであるジョイルソン・ロペス氏は「当店では防弾仕様になっている一般的な車の需要が10%拡大した」とし、中古の防弾仕様車の需要は15年以降、拡大していると明かす。

 同氏によると、ブロッカー・ブリンダージェンスでは1カ月に平均30台の防弾加工を手がけている。防弾加工の注文が最も多いのはトヨタ自動車のカローラ(セダンタイプ)で、ほかにはフォードのフィエスタ(FORD FIESTA)、現代自動車のHB20(HYUNDAI HB20)、トヨタのエティオスなどが多いという。

 なお、ブラジル防弾施工業者協会によると、ブラジルにおいて防弾化されている数が最も多い車種はトヨタ・カローラ、ジープ・コンパス(Jeep Compass)、ボルボXC60(Volvo XC60)、ビー・エム・ダブリューX1(BMW X1)、ランドローバー・ディスカバリー(Land Rover Discovery)などだ。

2018年5月12日付

コメント0

コメントを書く

Login

Welcome! Login in to your account

Remember me Lost your password?

Lost Password