違法占拠ビルで火災、建物崩落 40人以上の所在確認できず=サンパウロ

違法占拠ビルで火災、建物崩落 40人以上の所在確認できず=サンパウロ
ラルゴ・ド・パイサンドゥのビル崩落現場(1日)(Foto Paulo Pinto/Fotos Públicas)

 サンパウロ市セントロ地区で1日未明、24階建てのビルで火災が発生し、約1時間半後に建物全体が崩落した。国内メディアが伝えた。このビルは数年前から違法に占拠された状態となっていた。2日朝の時点で1人が行方不明となっているほか、登録されていた住民のうち44人の所在が未確認となっている。捜索活動は2日も続けられている。

 崩落した建物は、セントロ地区ラルゴ・ド・パイサンドゥに所在していた。報道によれば、火災は1日午前1時半ごろに発生。5階で爆発が起きた後、急速に他の階に炎が広がり、午前2時50分ごろに建物全体が崩壊した。火災は周辺の建物にも損害をもたらし、5カ所が立ち入り禁止となっている。このうち、崩壊したビルに隣接し、築100年以上の歴史建造物であるルター派教会は建物の約80%が損壊した。

 同ビルは1960年代に建設され、92年にサンパウロ市の歴史建造物に指定された。国が所有し、17年からサンパウロ市へ貸し出されていた

 同ビルには2000年代初めまでサンパウロの連邦警察本部が所在していたほか、09年まで地階に国立社会保険院(INSS)の事務所が置かれていた。その後、12年ごろから断続的に住居獲得運動グループによる侵入が起き、現在はLMD(Luta por Moradia Digna)により占拠されていたと報じられている。

 建物の10階まで居住者により利用されていた。消防によれば、今年3月の時点で居住者として146世帯(372人)が登録されており、そのうち25%は外国人だったという。居住者は月に200~400レアルを維持費用として運動グループに支払っていたという。

 2日午前の時点で、登録されていた住民のうち44人の所在が確認されていない。入れ替わりが多いため、すでに転居した居住者、新たな居住者がいた可能性もあるとみられる。

 住民の男性1人が行方不明となっている。この男性は火災発生後に建物の外に出たが、上部階の住民の避難を支援するため再び建物内に戻り、消防隊員による救助活動の途中で建物が崩壊した。

 火災の原因は現時点で特定されていない。州公共保安局長によれば、小型プロパンガスや圧力鍋の爆発といった家庭内の事故が可能性の一つとして調査されている。現場のがれきから見つかった2個のプロパンガス容器が州犯罪研究所により分析されている。火災の起きた階で居住者の夫婦のけんかがあったという証言もある。消防のスポークスマンは、電気のショートなどその他の可能性についても調査すると述べている。

 このビルの安全性については、15年に近隣住民からの通報を受けて民間防衛局による検査が行われ、報告書では立ち入り禁止措置とする危険性はないとされた。検察の調査は同報告書を受けて今年3月に保管措置とされたが、再開される見通しとなっている。

 1日に現場を訪問したテメル大統領は、居住者に対する支援を行う意向を表明した。コバス市長は同日、サンパウロ市中心地域で占拠されている70棟のビルの安全性について民間防衛局による検査が行われるとし、その結果に応じて市役所としての対策を決定する意向を示している。これらの建物には計4000人が居住しているとされる。

 消防による捜索活動は2日も続けられている。捜索活動の終了後、重機によるがれきの撤去が行われる見通しとなっている。

2018年5月3日付

コメント0

コメントを書く

Login

Welcome! Login in to your account

Remember me Lost your password?

Lost Password