邦人狙った「異常事態」 在聖総領事館が安全対策講話

邦人狙った「異常事態」 在聖総領事館が安全対策講話
安全対策連絡協議会に出席した人々

発生顕著の強盗被害事件踏まえ

 今年に入ってから顕著になっている邦人の強盗被害事件を踏まえ、在サンパウロ総領事館(中前隆博総領事)主催の安全対策連絡協議会が、8日午前10時半からサンパウロ(聖)市リベルダーデ区の援協福祉センタービル5階で開催された。企業駐在員を中心に会場が満員となる約150人が出席。1月半ばには日本からの出向社員が強盗グループに射殺される事件も発生していることから、安全対策への関心の高さがうかがえた。

 同協議会では中前総領事のあいさつに続いて、一連の強盗事件に関する概要について邦人保護担当領事が、聖市リベルダーデ区の旅行代理店で換金後に2人組の強盗に尾行され、換金場所から離れた場所で被害に遭う同様のケースを説明。昨年9月に聖市サウーデ区で最初に発生して以来、今年に入ってからの事件も含めた7件のうち、同総領事館で5件について安全対策情報としてホームページ上で発表したという。

 1月16日午後2時ごろに聖市イピランガ区のエスタード通りで発生した邦人射殺事件については、被害者のプライバシーの問題などから公表しなかったとし、同事件の概要を会場で説明。それによると、被害者が聖市リベルダーデ区の旅行代理店で換金後、バイクで尾行した2人組の強盗が被害者が乗っていた車のフロントガラスの外側から発砲。被害者は市内の病院に運ばれたが、1時間後に亡くなったとし、乗っていた車は防弾車ではなかったという。翌17日には2人の容疑者が逮捕され、その他の事件との関連を警察が捜査しているそうだ。

 質疑応答では、出席者から「被害者が換金を行った旅行代理店との面談は行ったのか」「一連の事件に関して、総領事館としてブラジル政府や聖州政府との面談は行ったのか。強盗事件の対策は」「リベルダーデの旅行代理店で邦人以外の被害は」などといった質問が出された。

 担当領事は、換金先の旅行代理店に注意喚起を呼びかけたとし、同旅行社で換金する際は店の前に車を乗り付けて短時間で店内から出てくると、犯人たちに両替だと分かるとし、「なるべく車は使わないようにし、使うなら離れた場所に駐車してほしい」と促した。 

 また、聖州政府などからは一連の邦人強盗事件を最優先に取り扱うと言われているとし、日本人以外の被害については総領事館では把握していないという。

 さらに、出席者の質問に答えた担当領事は一連の事件について、「同様の邦人被害がこれだけ集中しているのは異常事態と言える」と強調した。

 引き続き、警備担当領事から安全対策講話が行われ、聖州の治安状況、邦人被害、防犯対策、対処、被害届けの必要性などが説明された。

 聖州保安局のデータによると、同州での殺人事件は2012年(4836件)までは増加していたものの、その後は右肩下がりとなり、16年(3521件)は減少しているという。一方、強盗事件は2010年から増加しており、14年は40万9977件と過去10年間で最悪。15年は38万6051件と減少したものの、16年は40万1299件と再び増加している。窃盗事件は警察で認知している限り、過去10年で約60万件前後と横ばい状態(16年は62万5752件)だが、薬物及び強姦事件が前年比で28%増加しているそうだ。

 邦人被害は、総領事館のメールサービス配信ベースでは15年が24件、16年が16件、17年は1月末現在で6件。車両乗降中の強盗・短時間誘拐、観光地を中心とした強盗・窃盗(スリ)、ホテルのロビーや空港での置き引き、スマートフォン、腕時計の被害が主なケースとなっている。

 防犯対策では、サングラスで目線を隠すことや、仕事以外ではできる限りラフな服装で行動すること。また、乗車中に交差点で停まる時にはいつでも強盗から逃げられるように距離を置くことや、日常の行動パターンを変えることなどが助言された。

2017年2月17日付

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