野球の楽しさ伝えたい ジャイアンツアカデミー横川氏

野球の楽しさ伝えたい ジャイアンツアカデミー横川氏
講義の様子

理論・実践、工夫した指導法で

野球の楽しさ伝えたい ジャイアンツアカデミー横川氏
子供たちに指導を行う横川氏
 国際協力機構(JICA)と読売巨人軍との連携事業の一環として元読売巨人軍の横川史学氏(32、千葉)が8日に来伯し、10日と11日の2日間にわたってサンパウロ市のコーペルコチア・アトレチコクラブで野球指導を行った。15年に現役を引退した横川氏は、今年から巨人軍が運営する少年野球教室「ジャイアンツアカデミー」で指導者として活躍している。今回は、ブラジルに派遣されているJICAの野球指導日系社会ボランティア10人と現地コーチ23人、コーペルコチア野球部に所属する8歳~12歳の子供たち約20人らが横川氏から指導を受けた。

 日本移民の歴史とともに始まったブラジル野球だが、近年は日系子弟の野球離れや指導者の不足など様々な問題を抱えている。JICAでは、野球を通した日系コミュニティーの活性化と、地域の文化交流の立て直しを目指し、伯国に派遣されている野球職種の日系社会ボランティアが中心となり、活動に励んでいる。

 そんな中、指導者として伯国に派遣された横川氏は、10日午前9時から正午まで野球指導者への講演会を行った。当日は、同クラブの田草川ソロン会長やサンパウロ野球連盟の沢里栄志オリビオ会長、ブラジル野球連盟の大塚ジョルジ会長ら、総勢50人の野球関係者らが参加し、熱心にメモを取るなど横川氏の講演に聞き入った。

 「一番伝えたいことは野球の楽しさ」と冒頭で語った横川氏は、「分かりやすく、誰でも教えられる」というジャイアンツアカデミーで実際に行われている野球の指導法の一部を紹介し、「指導理論」や「準備体操」、「投げる・捕る・打つの指導方法」について説明を行った。

 横川氏は「練習では、子供の集中力を保たせるため15分~20分の時間を効率的に使うことや、子供の習熟度に応じたレベルの設定を設け、段階をつけることが大事」と説いた。

 また、同氏は「怪我をさせない、楽しませる、上達させる、社会性や運動能力を向上させる」など、指導の中に組み込まれた工夫を語った。

 午後からはグラウンドへ移動し、横川氏が午前中に講義を行った指導法を実演しながらの野球指導が行われた。慣れない練習方法に子供たちは戸惑いながらも、横川氏の指示通りに楽しく練習に励む姿が見られた。

 コーペルコチア・アトレチコクラブの野球部を引退し、現在は子供たちに野球を教えている五島テツオさん(69、2世)は、8歳の孫に野球をさせるためクラブに連れてきたが、続かなかったという。「こういう練習方法だったら孫も野球を続けられたかもしれない」とつぶやき、「競争させたり、段々内容を難しくすることは面白い上に実践しやすいと思った。コーチが楽しい練習に上手く持っていくことがいかに重要か、横川先生の講義を聞いて実感しました」と率直な感想を語った。

 今年からJICAシニアボランティアとして同クラブに派遣され、9歳~10歳の子供たちに野球指導を行っている今泉友秀さん(49、兵庫)は「基本的なことを教えるとどうしても単調になり、子供たちが嫌がってしまうが、ジャイアンツアカデミーの指導はそうならないように工夫されている」とその指導法に感心し、「この練習をどうやって継続させてくかが今後の課題」と語った。

2016年12月20日付

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