黒人・褐色人の雇用純増 労働市場の不平等が関係

黒人・褐色人の雇用純増 労働市場の不平等が関係
街頭に張り出された求人情報に目をやる人々(撮影/米沢心)

 ブラジルの登録雇用(正規雇用)者は2018年に4年ぶりに純増した。経済省発表の就労者・失業者登録台帳(Caged)によると、肌の色別に見た場合、昨年は黒人と褐色人でそれぞれ9万9070人、32万5321人の登録雇用の純増が見られた一方、白人では16万5409人の純減が確認された。

 ブラジルの登録雇用市場においては歴史的に、黒人と褐色人の失業率はいずれも白人に比べて高い。そのため、白人の雇用が純減したのとは逆に黒人と褐色人の雇用が純増したという昨年の結果は、一見すると喜ばしいニュースのように見える。しかし実際には、この結果はブラジルの登録雇用市場において今なお見られる「不平等」という負の側面を映し出しているのだ。

 政府の統計によると、昨年に最も多くの雇用を創出した職種は、例えば、生産ラインの部品供給係、清掃係、オフィスアシスタント、工事現場の雑用係などといった、報酬額が低いものがほとんどだった。逆に、昨年の登録雇用市場では指揮・監督者や管理・運営者といった、より報酬額の大きい職種の雇用純減が目立った。

 28日付伯メディアによれば、黒人、褐色人、白人の間で見られた昨年の雇用創出の差について、サンパウロ州立カンピーナス大学(Unicamp)経済研究所のペドロ・ロッシ教授は、近年の不況時に雇用機会が大量に失われた後にブラジルの労働市場は雇用創出を再開したが、創出された雇用は不況時に失われたものに比べて報酬額が低いものばかりだと指摘している。政府のデータはこの意味において、より報酬が低い職種により多くの黒人と褐色人が存在しているのに対し、白人達はより報酬額が大きい地位を占めているということを映し出している。同教授は「労働市場には不平等がある」「黒人達はより低い賃金に紐づけられている」と主張する。

 ブラジル地理統計院(IBGE)のデータは確かに、黒人と褐色人の平均的な稼ぎが白人のそれよりも小さいことを示している。17年時点の白人労働者の実質賃金は平均で2615レアル(約7万8000円)だった。これに対し、同年の黒人および褐色人の平均は1516レアル(約4万5000円)と大幅に低かった。

 この傾向は同学歴間で比較した場合においても明確に表れる。IBGEがまとめたデータによると、大卒者の時間給は白人が31.9レアルであるのに対し、黒人・褐色人は22.3レアル、高卒者および大学中退者の場合は白人が11.6レアル、黒人・褐色人が9.2レアル、そして中卒者および高校中退者では白人が9.7レアル、黒人・褐色人が7.5レアルと、いずれの学歴においても白人の時間給の方がより高額だ。

2019年1月29日付

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