黒人系に対する暴力問題 国連が抑止に向けキャンペーン

黒人系に対する暴力問題 国連が抑止に向けキャンペーン
会場であいさつする国連ブラジル常駐調整官のファビアンシク氏(Foto: Wilson Dias/Agência Brasil)

 国際連合システムのブラジル事務所が7日、ブラジリアで、黒人系の若者に対する暴力の根絶に向けた全国キャンペーン「VIDAS NEGRAS」の開始を発表した。アジェンシア・ブラジルが同日付で伝えた。

 ラテンアメリカ社会科学院(Flasco)がまとめた「マパ・ダ・ビオレンシア(暴力マップ)」によれば、ブラジル国内で黒人系の若者が殺害される可能性は、白人系の若者に比べ最大で12倍高くなっている。殺人被害者10人のうち7人は黒人系で、15歳から29歳の年齢層でみると、黒人系は2時間あたり5人が殺害されている割合になるという。

 ビデオやソーシャルネットワークを含むキャンペーンの内容は、同事務所のサイト(nacoesunidas.org/vidasnegras)
で公開されている。同サイトでは、こうした死亡は避けられなければならず、そのためには国および社会が人種差別の終わりを約束する必要があると指摘している。

 このキャンペーンの目的は、ブラジル国民の54%を占める黒人系に対する暴力の問題に対処するため、政府、議会、司法、組織や社会の注意を喚起する事にあるという。国連のデータによると、人口10万人あたりの殺人発生率は、2005年から15年にかけて黒人系では18%上昇している一方で、それ以外の人種でみると12%低下しているという。

 応用経済調査院がまとめた2017年版暴力アトラスによれば、黒人系女性の殺害件数は、同時期に22%増加している一方で、非黒人系女性の場合は11%減少しており、性別の不平等さも増加している。

 このキャンペーン発表の席で、労働・不平等関係研究センターのダニエル・テイシェイラ弁護士は、「ヨーロッパで最後に確認された公式な虐殺事件はボスニアで起き、1995年に8500人が殺害された。黒人系青少年の場合、年にその3倍が死亡している」と強調している。

 放送局やインターネット上で公開されるこの問題に関するビデオを発表するため、アーティスト達が招かれた。女優で作家のエリーザ・ルシンダさんは、「人種差別は子供や兄弟、隣人を殺害する。それぞれの歴史の背後には、絶たれた黒人達の命があり、新聞の一面記事には掲載されない。誰も無関心になってはならない」と語っている。

 連邦政府の人種平等促進政策局の調査によると、インタビューを受けた市民の56%が、黒人系の死亡は、白人系の死亡と比較してショックが少ないと回答したという結果が示されている。

2017年11月10日付け

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