2013年日系社会回顧㊤

 ブラジル日本移民105周年、戦後移民60周年の節目の年を迎えた2013年。来年のサッカー・ワールドカップ、16年のリオ五輪開催を前に経済及び交流活動の盛り上がりも注目されるブラジルで、日系社会では今年もさまざまな出来事があった。

【1月】
ジャパニーズ・ダンス・カンパニー優美(ゆうび、花柳寿美富浩代表)と太鼓集団・喜楽(きらく、佐藤勇人代表)による初の大規模合同ショーが、サンパウロ(聖)市の文協大講堂で開催され、1200人収容できる会場はほぼ満席となった。

 聖州コチア市にある姉妹都市・高知県いの町との友好公園内の茶室が火災によりほぼ全焼となる事件が発生し、放火の疑いが持たれた。また、翌2月には同園内に設置されていた故下元健吉元コチア産組専務理事の胸像が盗難被害に遭っていたことも判明。数年前から道路拡張のために公園移転の話も上がっていたとし、政治絡みによる嫌がらせの疑いも浮上した。

【2月】
他国での日本大使館新設のため在べレン日本国総領事館を廃館し、「出張駐在官事務所」に置き換える方針が日本政府からパラー州のベレン日系社会に通達。地元日系社会での廃館反対運動や麻生太郎副総理への直接陳情などをした結果、6月には世界で唯一の「領事館」としての存続が決定。「総領事は不在」ながら、領事業務などはこれまで通り継続されることになった。

【3月】
日系6団体、被災県県人会共催の東日本大震災犠牲者三回忌追悼法要及び追悼式典が行われ、法要と式典に出席した福島・岩手両県で被災した高校生たちが被災地の現状を訴えた。

 昨年のロンドン五輪柔道女子63キロ級で日本代表として銅メダルを獲得した上野順恵(よしえ)選手(29、北海道、三井住友海上所属)が、2月末から9月までの約半年間にわたってブラジルに滞在した。

 ブラジル日本文化福祉協会(木多喜八郎会長)でイビラプエラ公園内の「日本館」修復工事事前調査のため、岐阜県から(株)中島工務店の中島紀于代表取締役と従業員が来伯。一行は7月に再来伯して工事を完了させ、10月には1年半ぶりに日本館が再開した。

 (株)大塚商会の大塚実名誉会長個人からブラジル日本文化福祉協会への1億円寄付金贈呈式が東京都のブラジル大使館で行われ、木多喜八郎会長に目録が渡された。文協では1億円の有効利用を明言し、国士舘スポーツセンターや文協ビル改修費用に充てることを発表した。

【4月】
海外日系人協会、サンパウロ新聞社、NPOチャレンジブラジルの共催で「ブラジル移住者里帰り訪日団」(比良一郎団長)旅行が実施された。一行33人は東京都内を観光したり、海外日系人協会での歓迎レセプションなどに出席。同訪日団は、36年前に本紙社会部記者として研修した経験がある竹内運輸工業の竹内政司社長が「コロニアへの恩返し」の気持ちで資金提供したことにより実現した。

 リベイロン・ピーレス市にある「グループ民舞皿踊り」(川添博代表)創立20周年記念式典が開催。主要メンバーの世代交代により20周年を節目に解散する意見もあったが、メンバーやOBから継続してほしいとの声が多く、活動を続けていくことになった。

 リベルダーデ文化福祉協会会長の池崎博文氏が、ニッケイパレスホテルを買収したことが明らかになった。池崎氏の買収の背景には「日系社会の原点であるリベルダーデのシンボルとも呼べるホテルを無くしてはいけない」という強い危機感があったと明かした。

 創業45年の歴史を誇り、これまで各日系団体の記念史や会報など約1000点に及ぶ出版業務を行ってきたトッパン・プレス印刷出版有限会社(奥山啓次社長)が、自主廃業することを明らかにした。

 第144回文協評議員会が開かれ、理事会選挙では単一シャッパの承認により木多喜八郎氏の3期目続投が決定した。

【5月】
藤間流日本舞踊藤之会(藤間芳翁理事長)のファビアナ・サンシェスさん(45)が、非日系人として初めて同会師範の認定を受けた。
アマゾナス州ウルクリツーバ郡ツピナンバラ島に住んでいた丸山芳次さん(73、新潟)が、自宅に押し入った3人組の強盗グループに頭部を強打されマナウス市内病院で死亡。またパラー州ベレン市でも、アマゾンカントリーゴルフクラブ支配人の黒木修さん(68、宮崎)が殺害された。

 独立行政法人海洋研究開発機構は1月から11月までの間、生命の限界に迫る世界一周航海「QUELLE2013」のプロジェクトの一環で4月下旬からブラジル沖3海域で深海調査を実施。5月下旬にはサントス港に停泊した同機構支援船「よこすか」と有人潜水調査船「しんかい6500」が報道関係者に公開された。

【6月】
兵庫県神戸市にある(財)日伯協会の理事長が西村正氏(75)から三野哲治氏(67)に交代。同センター理事長は長年、川崎重工関係者が務めてきたが、今回初めて住友ゴム会長が就任した。

 ピラール・ド・スール日伯文化体育協会(南満会長)創立60周年記念式典と第35回敬老会が同文協会館で開催され、熱心な日本語教育活動と「果物の里」として知られる同地の節目の年を祝った。

 スザノ福博村「二五青年会」の創立80周年記念式典が、スザノ市の同村会会館で開催。同村最古の団体として存続してきたが、村の少子高齢化に伴って若い世代が少なくなる中、今後は福博村会(上野ジョルジ会長)の傘下団体として活動していく。

 ブラジル日本移民105周年記念行事がサンパウロ市(聖市)内で執り行われ、サンゴンサーロ教会での慰霊ミサ、イビラプエラ公園内開拓先亡者慰霊碑前とリベルダーデ区の文協記念講堂での仏式法要には、空席が目立ちつつも思いのある一般参列者たちの姿があった。

2013年12月25日付

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