4世問題で意見書提出㊦ 日系子弟の教育問題への配慮を

 次に本改正案の法務省告示に新設される予定の四三号は本制度による日系4世の在留期限を最大5年とし、別表第一〇の八号は通算して2年を超えて在留する場合に、日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる能力を有していることを試験により証明されていることが求められています。参考資料1によればその能力は日本語能力試験3級程度です。日系四世在留指針案第2の三号ではさらに、通算して3年を超えて在留する場合に日本文化及び日本国における一般的な生活様式の理解が十分に深められているものとするとの要件が設けられています。加えて、参考資料1には家族を帯同しないことということも記載されています。5年もの長期に渡る滞在を想定する制度で家族の帯同が許されなければ、家族の分断が大いに深まることとなります。また、夫と妻とが個別に渡航した場合や、日本で婚姻した場合に、その夫婦の一方のみが、試験の結果によって2年めに帰国せざるを得ない状況になることも考えられます。日本で4世子弟のカップルに子どもが生まれた場合の取り扱いも明らかではありません。私たちは1年を超えるような滞在を許容する場合には、当然に家族が増えることの想定が必要ですし、家族の結合を保護するような配慮がなされるべきだと考えています。したがって、家族の同伴禁止や、在留期間の途中での試験による選別はなされるべきではありません。

 5年の期間の満了の後に日本に残ることを希望する4世が引続き日本で暮らすことができるような措置も必要であると思います。5年という長期間母国を離れ、日本で新たな生活の礎を築いた者が本人の希望に関わらずブラジルに帰国させられるとすれば、それは両国関係にとって決して好ましい結果にはなりません。新日系1世というべき4世にとっては、再び自らの母国というべき日本で暮らす機会を得たのに、育った環境からすれば外国であるブラジルに戻らなければならないということにもなります。

 加えて、今回の制度は4世の若者に日本を知る機会を与える契機になるという点において意義があることは理解できますが、4世世代に日系人定義を拡大するような意義を有するものとまではいえませんし、すでに成人に達した5世世代も多く存在することからすれば、ブラジルの日系社会コミュニティと日本との間の永続的な交流を担保するものでもありません。

 (5) 上記の点に加え、日系4世の在留が増えれば、中には日本人や他の日系人と婚姻する者が出てくるはずです。現時点においても取り組んでいただいている事項でありますが、子弟の教育問題は我々日系社会コミュニティに属する者にとって大きな関心事です。特にポルトガル語と日本語は互いの乖離が大きく、一方の話者が他方の言語を習得することが困難であるからか、米国など他の国の子弟に比べて、日本のブラジル人子弟の社会への適用に問題があることがブラジルにおいてもしばしば取り上げられています。新制度導入にあたっては、いっそう子弟の教育問題への配慮が必要です。

 (6) 以上のような理由から、私たちとしては4世世代も、5世以降の世代についても、在留資格の上でも3世と同様に取り扱いいただけるような制度を希望し、新制度導入にあたっては子弟の教育問題への一層の配慮をお願い申し上げ、「意見の趣旨」記載のとおり意見を申し上げます。(以上)
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 法務省からの意見への回答は今月中に後記のホームページサイト・電子政府の総合窓口E―GOV(イーガブ)(http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=300130129&Mode=0)で公表される見込み。(おわり)

2018年3月2日付

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