JH2カ月で約26万人を動員 中前中南米局長が講演会でアピール

JH2カ月で約26万人を動員 中前中南米局長が講演会でアピール
講演する中前中南米局長

日系社会との棲み分け、連携にも言及

 【東京支社】先ごろ帰朝し、外務省中南米局長に就任した中前隆博・前サンパウロ総領事の講演会が3日、東京・日比谷のフォーリンプレスセンターで開かれた。演題は「ジャパンハウスとサンパウロ総領事館勤務を振り返って」で1時間半にわたり講演し、その大半をジャパンハウスについて語った。同講演会は日本ブラジル中央協会主催で行われたもので、会場には90人を超える聴衆が集まり、熱心に耳を傾けた。

 「ジャパンハウス(JH)のコンセプトは、皆さんから誤解を受けるのだが、文化施設ではない。戦略的発信だ。各国が戦略的に維持拡大していく発信をしていて、熾烈(しれつ)な情報戦競争を行っている。このことをサンパウロに勤務していて強く感じた」と冒頭に説明した中前氏。「民主主義は世論を味方につけ、両国の民意、支援がなければたちゆかない。その地の民意を、いかに味方につけることができるかだ。その中で、平和国家の歩み、人権に対する姿勢、日本の正しい姿を見せている。ステレオタイプではなく、(JHに)入れば今の日本に関してインパクトを与える」と開館以来行った様々なイベントを紹介した。

 中前氏によると、5月6日の開館から7月末までの約2カ月間で入場者が25万9108人を記録したという。この数字は、当初の年間入場者目標を大幅に上回っている勢いだ。

 今後、年度内にサンパウロのJHは、日本政府が企画した巡回展(サンパウロ、ロサンゼルス、ロンドン)を2回のほか、日本企業と協力したイベントも企画している。

 中前氏は、「JHは、現象を作り出すことを目指しており、想定以上のパフォーマンスを行っている」と説明した。イベントを単に紹介するのではなく、数十人が自転車に花を摘んで道行く人にプレゼントしたことを紹介し、単なる宣伝ではなく、ブラジル社会にJHの活動に興味を抱かせる活動を高く評価した。

 「役人が口を出さないのが良かった。すべて、プロのチームが作り、やってくれたことで効果的な活動ができた」と振り返り、「望みうる最高のチームが得られたと思っている。最大限の賛辞を贈りたい」とJHのスタッフを称賛した。

 また、今後の課題については、「JHの質(クオリティー)をいかに維持していくか、日系社会の文化活動とどう連携していくのか、これは棲み分けと連携だろう」と締めくくった。

 続いて、低迷するブラジル経済について解説し、最後に日系社会について言及した。

 サンパウロ総領事在任中に107カ所を訪れた中前氏は、「日系人は、移住者の残した遺産を守っていくのか。日系人は日本の血を引いている誇りを持っている。日本企業の人たちと日系人がいかに、交流を深めるか、JHの役割もここにある」と期待を込めた。

 さらに、在日日系就労者、特に帰国子弟に言及し、「帰国後の子弟には、継承日本語の日本語教育の役割があるのではないか」と日本語教育の重要性を示唆して講演会を締めくくった。

【解説】JHと日系諸団体 相互補完関係の構築を

2017年8月10日付

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