LGBT市民の殺害 16年は28時間に1件

 NGO(非政府組織)「グルッポ・ゲイ・バイーア(GGB)」が行った集計によれば、ブラジル国内で昨年確認されたLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスセクシャル)といった性的少数者の殺害件数が近年最多となる見通しだという。アジェンシア・ブラジルが12月29日付で報じた。

 この調査は、同団体が毎年作成している「ブラジルLGBT殺害報告」のためのもの。暫定データでは、昨年のLGBT殺害件数が340人になると予想されている。

 GGB創設者で人類学者のモット氏によれば、15年に記録されたLGBTの殺人犠牲者は318人。16年は329人が確認されているが、確認を待っているケースを加えれば16年の死亡者は約340人になるとの見通しを示している。同氏は「自分はこのデータを36年間モニタリングしているが、これほど多かったことはなかった」と述べている。

 同氏はこの増加について、情報がより体系的に収集されている事や、自分達の性的な状況を認める人がより多くなってきたことに対する保守的な反応などの要因があるとし、「現在では、ゲイパレードや他のキャンペーンによって多くのホモセクシャルやトランスが姿を見せるようになってきた。こうしたことで暴力的な状況にさらされ、犯罪の増加につながっている」とモット氏は説明している。

 この調査によると、死亡者の過半数(195人)が公道で殺害されている。拳銃によるものは92人、刺殺は82人、絞殺は40人、撲殺は25人などとなっている。またゲイの殺害が162人で最も多く、トラベスチ(80人)、トランスセクシャルと続いている。

 GGBは、他の団体や被害者の親戚や友人から死亡の情報を受け取っているが、このデータベースの主要な情報源は、報道機関により公表された情報に基づいており、この調査は人権特別局により承認されている。

 死亡者の過少報告も、この問題を監視するこのグループの課題となっているという。しかし、同団体の最新の報告のみでも、ブラジルでは28時間に1人の割合でLGBTの市民の殺害が起きているとされている。また、さらに増加傾向が確認された場合、この頻度は24時間に1人の割合に上昇するだろうと考えられている。モット氏は「多くが殺害されているにもかかわらず、目撃者が報告しないため、報告は氷山の一角にすぎない」と述べている。

 ブラジルでは暴力事件の指数が高いため、16年のトランセクシュアルの殺人事件数も世界ランキングをリードしている。NGO「欧州トランスジェンダー」が11月に発表したデータによると、昨年9月までに33カ国で記録されたトランスセクシャルの殺人事件295件のうち、123件はブラジルで発生しているという。絶対数でみると、メキシコや米国、コロンビア、ベネズエラがブラジルに次いで多くなっている。

 欧州のこの報告書では、08年1月から16年9月の間に、トランスセクシュアルやトランスジェンダーの死亡が68カ国で計2264件記録されているが、そのうちブラジルは900人を占め、絶対数では最も多い国となっている。モット氏は、 「何十年もの間、ブラジルはLGBTの市民に対する犯罪において世界チャンピオンとなっている。米国の年間20人に対し、ブラジルでは毎月30~40人のLGBT市民が殺されている」と述べている。

2017年1月5日付け

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