18歳、世界の「手」つなぐ旅 HSAP海外特派員の宮澤さん

18歳、世界の「手」つなぐ旅 HSAP海外特派員の宮澤さん

東京パラリンピックに向け各国行脚

18歳、世界の「手」つなぐ旅 HSAP海外特派員の宮澤さん
世界を旅しながら「手形」を集めるハンド・スタンプ・アート・プロジェクト(HSAP)の海外特派員、宮澤かれんさん(6日、聖市で)

 2020年の東京パラリンピックに向けて、世界中の障害を持つ子供やその協力者の手形を集めるNPO法人(事務局・東京都下橋区、横山万里子代表)が進めるハンド・スタンプ・アート・プロジェクト(HSAP)。「海外特派員」の宮澤かれんさん(18)=小笠原諸島母島出身=が、4月22日から約2週間来伯した。福祉施設や日本人学校も訪れ、障害を持つ子供や協力者らと交流しながら手形を集めて回った。

 最初の訪問地リオ市では、貧困や病気に悩む子供たちのために支援を行う非営利福祉団体「Saúde Criança」を訪れ、同市内の日系人の学校で働く広瀬早苗さんらとも交流した。

 その後、サンパウロ市に入った宮澤さんは、日本人学校のほか、知的障害者施設「こどものその」や「PIPA(自閉症児療育学級)」を訪問。障害児らと交流を深め、手形を集めて回った。

 HSAPは、病気や障害を抱える子供たちを応援するため、国内外で手形や足形を集めるプロジェクト。「ハンドスタンプの数だけ家族の愛があり、子供たちがいる」が合言葉だ。集めた手形や足型をつなぎ合わせ、東京パラリンピックで巨大な絵を飾る計画で、国内外で10万枚を集めることを目標にしている。

 宮澤さんは、故郷小笠原諸島母島で脳性まひの障害を持つ男児に出会い、彼の生き様の「自然さ」に心を打たれたのをきっかけに、HSAPの活動に関心を持った。「世界に障害者支援の輪を広げたい」。かねてからの夢だった世界一周の旅と組み合わせて、HSAPの活動を海外に広げようと決意した。

18歳、世界の「手」つなぐ旅 HSAP海外特派員の宮澤さん
「Saúde Criança」で子供の手形を集める様子。(4月25日ごろ撮影、本人提供)

 3月に高校を卒業したばかりの18歳はたくましい。インターネットで賛同を募る「クラウドファウンディング」を通じて旅費150万円を調達。節約のため、知人、友人、現地の人脈をフル活用して、できる限り宿泊費を浮かす計画だ。「旅先などで知り合った人のツテを頼って家に泊めてもらう。厚かましいと思うが、18歳という若さを武器にしています」と物怖じする様子もなく、「会ったこともなかった人が本当にいろいろと助けてくれた」と笑顔を見せた。

 ブラジルでの宿泊先や障害者施設の訪問先開拓も、父・貫(かん)さん(52)の知り合いなどを頼った。地元の小笠原諸島母島でサッカーのコーチを務める貫さんは、20代の頃にリオ市にサッカー留学をした経験を持つ。父からたくさんブラジルの話を聞かされて育った宮澤さんは、来伯が長年の念願だったそうだ。父から、「旅先で死ぬかも知れないから一番行きたい所から行け」と言われ、ブラジルからこの旅が始まることとなった。

 宮澤さんは既にペルーへ旅立っており、南米、ヨーロッパ、オセアニア、東南アジアの24カ国を1年間掛けて回り、その間に海外分の2000枚の手形を集めるのが目標だ。

 1月現在、HSAPには1万2000の手形が集まり、目標の10万人に向けて一般の協力を呼び掛けている。ブラジル内でも手形を集めるボランティアや、集まった手形を日本に送るボランティアを募集しているそうだ。問い合わせは(handstamp.karen@gmail.com)まで。

 「人種や性別、障害の有無も関係なく、世界中の人に協力してもらって、東京パラリンピックで大きな一つの絵を描きたい」と思いを語る宮澤さん。それぞれのハンドスタンプには、参加者の名前、障害名も書き込んでもらっており、「同じ障害を抱える人が世界にいることを知ってもらい、困難に立ち向かう人を応援したい」。世界の「手」をつなぐ旅はまだ、始まったばかりだ。

2017年5月16日付

コメント0

コメントを書く

Login

Welcome! Login in to your account

Remember me Lost your password?

Lost Password