免税で野球道具一式を寄贈 泉佐野市が日系クラブマリリアへ

免税で野球道具一式を寄贈
寄付された野球用具と日系クラブマリリアの一行(4月25日撮影、與浦幸ニさん提供)

JICAシニアの與浦さんが橋渡し

免税で野球道具一式を寄贈
JICAシニアボランティア與浦幸ニさん(左、4月25日撮影、與浦幸ニさん提供)

大阪府泉佐野市(千代松大耕市長)から寄付された野球道具一式が4月25日、サンパウロ州マリリア日系文化体育協会(水野ケンイチ会長)の日系クラブマリリアに到着した。関税が高いハードルとなる日本からブラジルへの寄付だが、今回は異例の関税免除となった。発起人のJICAシニアボランティア與浦幸ニ(ようら・こうじ)さん(47、岩手)にその経緯などについて、話を聞いた。

日系クラブマリリアでJICAシニアボランティアとして野球の指導にあたる與浦さんが昨年7月に来伯し、驚いたのは野球道具の古さだ。戦後当時の旧式のグローブがロープで補修されていたり、縫い目が取れて皮がめくれ上がった硬式球などが使われ、競技の安全性に支障を来す状況だったという。

ブラジルでは野球用品店は皆無に近い状況で、少量の日本や米国からの輸入に頼っているのが現状だ。ブラジルの野球関係者の間で、以前から道具不足が指摘されていたことを知っていた與浦さんは、来伯前の昨年6月に泉佐野市長へ野球道具の寄付の相談を持ちかけていた。それから現状を実際の目で見、日系クラブマリリアの関係者からの依頼も受けて、同市側へ再度打診したのは同年9月のこと。

これを受けて同市長が動いた。10月の同市の広報誌に募集をかけたところ、同市教育委員会なども協力し、公立学校の体育用具を中心としたバットやグローブなどが集まった。中には古すぎるものもあり、選別が行われたそうだ。

元プロ野球選手の與浦さんが以前から付き合いのある、奈良県三宅町の「吉川清商店」からもサンプル品などのグローブ1チーム分と、革紐などの補修キットが寄付された。

しかし、問題となったのは関税の壁。JICAサンパウロ出張所側からは消極的な声があったものの、それを押し切り、「最悪の場合、破棄する」ことを泉佐野市側からも承諾を得て、1月25日に船便で発送された。

與浦さんによると、3カ月後の4月25日に無事、関税免除で届くことになったのにはいくつかの要因があったという。まず、泉佐野市長による寄付を証明する書簡を添えたこと。他には日系クラブマリリアの関係者のツテを頼り、ブラジル連邦下院議員の飯星ワルテル(PSD)氏などの政治関連者に働きかけを依頼したこと。しかし、そうした働きかけの詳細は未だ明らかになっていない。

JICAは「世界の笑顔のために」プログラム等でスポーツ、文化、教育、福祉等の関連物品を日本から発展途上国へ寄付を行っているが、與浦さんによると「関税の障壁があってか、ブラジルは対象国から外れている」そうだ。そうした中、今回の特例は注目に値する。

與浦さんは今回の件を受けて、「(日系クラブ)マリリア側から他の地区の野球団体などに寄付ができたら」と話すと共に、協力した関係者らに感謝の気持ちを表している。

2017年5月24日付

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