―移住に賭けた我らが世界―第3章 転換期⑪

―移住に賭けた我らが世界―第3章 転換期⑪
学移連創立20周年記念式典の一幕

~もう一つの学生運動~ 日本学生海外移住連盟外史

創立20周年を記念し、各種行事開催
第21期書記局長 岡野 護(亜細亜大)

◆関東支部で人集めに苦労

 私は、都合2年間学移連の役員についた。1回目は第9期関東支部の研究部長として、そのよく翌年(1976年)、第22期の書記局長としてであった。振り返ってみると、当時の学移連は、最盛期50校ほどから24校となっていたが、実際に参加する大学は20を切っていた。大学1年の時か2年の時に横浜の海外移住センターで開催された連盟総会で、いくつかの大学が脱退されたのを記憶している。

 あの頃は、移住志向者よりも国際協力、地域研究や海外事情研究などを研究対象としている学生が多かった時代だった。

 移住志向者は、学移連の本流とみなされはしたが、反面、移住を考えない連盟員からは、異端児的にみられていたかもしれない。将来移住を志す思いがあって移住の勉強をする者と、そうではなく、各大学での活動の延長戦上に組織としての学移連をみて、研究交流や仲間作りで集まっていた人たちが多くいた。

 そのような状況の中で、最大の魅力は実習調査団であり、そこに興味がない大学は、どんどん脱退していった。関東支部の研究部長をしていた時は、苦労をして小雑誌「研究会議」をつくった。関東の加盟大学の研究部長を集めて各校の研究成果をまとめたものである。各校の個性が出ていたと言えるが、内容はバラバラであったように思う。

 関東支部で苦心したのはいかに人を集めるかで、加盟はしていても学移連に興味のある学生は、東京農業大学海外移住研究部、日本大学海外研究会、拓殖大学海外移住研究会、相模女子大学海外研究部の大学は熱心に行事に参加してくれたが、私が所属の亜細亜大学海外事情研究会をはじめ工学院大学、玉川大学、神奈川大学は一部の学生のみの参加でしかなく、いかに多くの連盟員を集めるかが課題であった。それでも支部合宿には100名ぐらいが参加していた。研究部長を退任後は大学のクラブ活動に専念し、遊牧民の研究で2か月ほどアフガニスタン行ったりした。

◆本部役員で創立20周年を祝う

 翌年、会田出第22期委員長(拓大)のもとで書記局長となった。この年は、副委員長であった渡辺真一郎(東京農大)が実行委員長となって実施した学移連20周年記念行事とそれをまとめた報告書「学移連―創立20周年特集号―」の発行がある。

 創立20周年行事は、サンケイホールでの式典、実習調査団報告会、記念講演、シンポジウム、レセプション、記念ダンスパーティー(関東支部主催)が2日間にわたり開催された。とにかく学移連を盛り上げようというのが我々本部役員の思いである。当時はメディアに移住は取り上げられることも少なく、一部の学者が研究をしていた時代で、社会的に大きく学移連をアピールしたい。そのことで連盟員も引っ張っていきたいとの考えであった。

 リーフレットには宮沢喜一外務大臣、岸信介元首相の祝辞を頂いた。式典には、国際協力事業団副総裁、千葉三郎衆議院議員、田中龍夫衆議院議員、岩動道行参議院議員の出席。シンポジウムには、「国際協力時代における新しい移住のあり方」をテーマに外務省領事移住部課長、海外移住事業団部長、長沢亮太、伊藤一男、小野昭、後藤連一(司会)。記念講演はNHKブラジル特派員の三木友直。レセプションには、OBを含む250名ほどに出席してもらえた。関東支部主催の留学生交換会と銘打ったダンスパーティーでは県費留学生の日系ブラジル人や日系ペルー人も来てくれたように思う。

◆創立20周年誌の発行

 これらの活動の報告書は、学移連第2号20周年特集号として76年に発行した。66年に発行された学移連創刊号以降次の刊行物が出ておらず、創刊号に続くものを出したいと強い思いがあった。当時の発行物は、実習調査団の報告書「我らが世界」と学移連の概要が書かれた「連盟案内」しかなかった。

 第22期で悔やまれることは、カナダ派遣が予定通り実施できなかったこと。前年度にカナダ政府の外国人受入れ方針が変わり、学移連の派遣が交換留学生のビザから労働ビザに変更となったのだ。第6次総合実習調査団のカナダ派遣についてもこの労働ビザで申請を行ったが、カナダ国内の失業者の増加のあおりを受けビザが下りたのは一人だけ、他の派遣団員には大変申し訳ない結果となった。それ以降カナダ派遣の道は閉ざされてしまったことは誠に残念に思う。

 創立20周年事業の開催費等は、企業を廻って寄付を集めるいわゆる賛助活動で、通常の運営費以上を集めたはずであるが、どれだけ集めたかはだ定かでない。この賛助活動やいろいろな方々の出席交渉などは普段のクラブ活動では経験できない誠に有意義なものであった。(敬称略、つづく)

2018年12月18付け

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