【移民109周年】第23回沖縄開拓先亡者慰霊法要 200人の会員が出席、先人偲び

第23回沖縄開拓先亡者慰霊法要 200人の会員が出席、先人偲び
追悼の辞を述べる島袋会長
第23回沖縄開拓先亡者慰霊法要 200人の会員が出席、先人偲び
琉球伝統芸能が結集した献楽、献花、献茶の儀が行われた

 ブラジル沖縄県人会とブラジル沖縄文化センター(島袋栄喜会長)共催の第23回開拓先亡者追悼慰霊法要が11日、予定より30分遅れの午前10時半からサンパウロ市リベルダーデ区の同県人会館で執り行われ、県人会員ら約200人が参列した。今年も献楽、献花、献茶の儀が厳かな雰囲気の下で行われ、琉球伝統文化の結晶とも言える慰霊法要となり、同県人の先亡者の霊が弔われた。

 同法要冒頭で金城ルイス実行委員長があいさつし、ブラジルで苦労した同県人の先亡者へ、ウチナーンチュのしきたりに基づいて追悼を行うと説明した。

 続いて、献楽、献花、献茶の儀の三つが並行して行われた。

第23回沖縄開拓先亡者慰霊法要 200人の会員が出席、先人偲び
参列者200が焼香をあげ、先亡者を供養

 献楽の儀では、野村流音楽協会ブラジル支部と野村流音楽保存協会ブラジル支部による三線と、琉球箏曲興陽会ブラジル支部と琉球箏曲保存会ブラジル支部による箏(そう)が演奏された。

 演奏されたのは、「十七八節(じゅうしちはちぶし)」という曲。瀬名波美枝子さんによると、沖縄では法事などの様々な儀式で演奏される曲で、2000年の第26回主要国首脳会議「沖縄サミット」でも演奏されたそうだ。

第23回沖縄開拓先亡者慰霊法要 200人の会員が出席、先人偲び
琉球ぶくぶく茶道ブラジル支部の、銘苅(めかる)エレーナ敬子さん(3世)、米田マサミ喜屋武(キャン)さん(3世)、コウエン導師、金城ルイス実行委員長、瀬名波美枝子さん(左から)

 

 

 献茶の儀は、琉球ぶくぶく茶道ブラジル支部が執り行った。担当を務めた瀬名波さんによると、「ぶくぶく茶」の「ぶくぶく」は「福々」から来ているとも、その立ち上がる独特な泡から来ているとも言われているという。18世紀前半に中国の清の皇帝から首里に派遣された冊封使(さくほうし、さっぽうし)に献上された茶で、旅のゆかりものとして縁起が良いとされている。現在、ブラジルに継承されている「ぶくぶく茶」では、茶器に豪勢なものを使わず、インディオの道具など現地にあるものが用いられる。こうしてたてられた茶が、献花と共に供えられた。

 追悼の辞で島袋会長は、先人の苦労をねぎらい、温故知新の思いを確認。亡者の冥福を祈ると共に、遺族や同会員への感謝の言葉を述べた。また、「2世・3世・4世の若い力を掘り起こし、彼らのエネルギーを結集し、先人たちから受け継いだウチナーンチュの心、イチャリバチョーデーの人間愛、ユイマールの助け合い等を力強く発信、ブラジル社会に貢献し得る新しい組織体制の構築を目指します」と抱負も語った。

第23回沖縄開拓先亡者慰霊法要 200人の会員が出席、先人偲び
献楽の儀では箏(そう)と三線による「十七八節」が演奏

 その後、ブラジル禅宗本願寺のモンジャ・コウエン導師の読経により、参加者全員が焼香を行った。

 コウエン導師による法話では、先祖の大切さが説かれ、沖縄は特に先祖供養を大切にする習慣が強いことに言及。「沖縄人はかつて自殺した歴史(沖縄戦における自決のこと)があるが、今はむしろ生きる力を、みんなのために使ってください」と説いた。

 参列したブラジル日本文化福祉協会の呉屋春美会長は、「いっぱい人が来てもらってありがたい。いつも見られない人も居て、大変ありがたいことです」と語り、サンパウロ日伯援護協会の与儀昭雄会長は、「私(個人)としては、県人会がいくつもあるが、自分の先祖を守っていく一番大事なイベント。移民なさった先輩が良いものを持ち込み、ブラジル社会の中でも大事な役割を果たしてきた。何があっても法要には来ます」と同法要の意義を語っていた。

 第1回同法要を開催し、1988年に同県人会長だった山城勇さん(90)は、ブラジル日本移民80周年を振り返った。当時、慶祝団が約200人沖縄から来伯した際、山城さんは花や茶、音楽のことを慶祝団一行に相談。「(法要には)静かで心にしんみり染み入る『十七八節』が一番いいと聞いて、何日も練習した」と懐かしんだ。

第23回沖縄開拓先亡者慰霊法要 200人の会員が出席、先人偲び
法話で「生きる力をみんなのために使って下さい」と説くコウエン導師

 「最初は(参列者が)40、50人で、5年に一度くらいでいいという人もいたが、今は毎年行われ、200人も来てくれるようになった。コウエン導師も(先祖供養を大切にする)沖縄県人の心の持ち方がとてもいいと褒めていて、感動した」と感慨深げな表情を浮かべた。

 今回の同法要で初めて司会を務めた城間セルソ明秀さん(34、2世)は、「もう少ししっかりと式順などを覚えて色んな方と引き継ぎができたら良かった。次回は動画などの媒体に残しておくことなども検討したい」と話していた。

 島袋会長は、「若い人に意味を分かってもらわないと(法要には)来ない。慰霊祭は子供たちを見守ってくれている移民や先人に対するお礼をする機会。若い世代に継いでいってもらい、ずっと続いてほしい」と、沖縄文化の継承への思いを語った。

2017年6月24日付

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